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騎士よ、今こそ立ち上がれ!!8

1 : ◆pPAOEY1pWs :2006/10/08(日) 23:18:17
サタンの邪悪な野望を阻止するため、再び平和な世界を取り戻すため、
勇気ある騎士よ、今こそ立ち上がれ!!さあ、まずは自己紹介の紙に記入だ!!

【年齢】
【性別】
【職業】
【魔法・特技】
【装備・持ち物】
【身長・体重】
【容姿の特徴、風貌】
【性格】
【趣味】
【人生のモットー】
【自分の恋愛観】
【一言・その他】

※サタン側に参加する人も記入願います。

――――――騎士達の凄まじい戦いの過去だ!!――――――
騎士よ、今こそ立ち上がれ!!〜重なる心と想い編〜(7番目のスレ)
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1140352917/
騎士よ、今こそ立ち上がれ!〜サタン復活編〜(6番目のスレ)
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1137064700/
騎士よ、今こそ立ち上がれ!!!α (5番目のスレ)
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1123051856/
騎士よ、今こそ立ち上がれ!!!!4
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1118044563/
騎士よ、今こそ立ち上がれ!!!3
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1105623580/
騎士よ、今こそ立ち上がれ!!
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1102512969/
騎士よ、今こそ立ちあがれ!
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1093884248/
騎士よ、今こそ立ち上がれ!!〜行くぜ大決戦!編〜
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1148035082/301-400

2 :名無しになりきれ:2006/10/08(日) 23:28:39
いつまでサタンと戦うんだww

3 :名無しになりきれ:2006/10/09(月) 00:22:39
カイザーと互角にやり合える元騎士の現パン屋店主役でよかったら参加するぜ!

4 :名無しになりきれ:2006/10/09(月) 00:26:38
まだサタン生きてるのかよ!はよいてまえ

5 :サンタ:2006/10/09(月) 00:38:00
我は今しばし、眠りにつくとしよう……
人の子らの鐘が福音を告げる刻までな……

(血のように赤い衣を纏い、ねじ曲がった角を持つ獣を従えた男は、
そう呟いて目を閉じた)

6 :名無しになりきれ:2006/10/09(月) 00:40:07
666の獣(トナカイ)を従えた赤い血に染まった(ような色の)服を着た男だ!!
人間一人入りそうな袋をもったあの男だ!!

7 :マックス ◆BsGlQvuzhQ :2006/10/09(月) 02:05:43
>315
マックスの怪力を利用して振った長槍の一撃は、ラジャリの驚異の身体能力に軽くいなされた。
手元の長槍は怪力による速度と、男一人の体重の反発を受けたと言うのに、折れそうな気配は全く無い。
「そういうアンタもつくづくデタラメな野郎だなっ!」
マックスの顔は笑っている。サタンとの戦いの時の様に、心底楽しそうに。
マックスは刃を腕で受けた時のラジャリの目の色が、一瞬だけだが変わったのを見逃していなかった。
マックスの強さとは非常識さである。普通と大差無く見えて、実は全く違う戦法である所である。
幾ら相手が強かろうと、彼の様な人間を相手にしたことは殆ど無いだろう。
「暗殺失敗した時点で……」
そう呟きながらマックスの右手が思い切り握られる。
その握力の為に傷だらけの拳が、普通の拳とはまた違う形をしていた。
その拳を思い切り振り被り、力を溜める。完全なる無防備。完全なる前のみへの攻撃態勢。
先程鳴った笛が、チェンバル王の異変を知らせる物であった事など彼は知らない。
だが、何かを告げるという意味はある筈だ。急がねば。そう思った故にマックスが取った行動である。
マックスは確実に前から来ると読んでいた。その読みは当たり、ラジャリは正面から駆けてきた。
だが短刀を投げられた事は読んでいなかった……訳では無い。
マックスは短刀を投げられた刹那、それを抜かんとばかりにスピードを上げるラジャリを見て……。
ニヤリと、笑った。
「アンタの……」

ラジャリと短刀の位置が重なったその瞬間、マックスはこめかみへの激痛と脳への衝撃を感じた。
しかし、その時既にマックスの右拳が姿を消し、同時に短刀を彼方へ弾き飛ばしていた。
マックスの体勢は攻撃を受けて尚、その拳の一撃を放つ為に、寸分崩れる事無く立っている。
次の瞬間にはその拳は、ラジャリの顔面目掛けて動いていた。

8 : ◆BsGlQvuzhQ :2006/10/09(月) 02:22:26
訂正です。

>315→前スレ>315

9 : ◆HpH6dBLcFw :2006/10/12(木) 15:15:13
前318-321
風に大きく翻る皇国旗目掛けて、巨人は進む。
一歩ごとに地響きを鳴らし、逃げ散る兵隊や、射掛けられる矢をわずらわしげに払いながら。
その足が急に地に貼り付いたまま上がらなくなった。
巨人はいぶかしげに首を捻り、足元を見る。足首から先が厚く氷に覆われていた。
そこから細く一条の氷が伸びている。それを目で追う。
その先にいたのはセシリアだった。すぐさま火球を吐き付けた。

その瞬間、脇腹に衝撃が走る。続いて広がる痛みに思わず身をのけぞらせた巨人を、誓音の斬撃が襲う。
「グアアアアァァァッ!!」
激痛に巨人が咆哮を上げた。しかし右腕は誓音の目論見通りには落ちず、まだ繋がっていた。
のけぞった分だけ、刀が浅く入ったからだ。その右腕を振り、いまだ宙にある誓音の体を地面へ叩きつけ、
腹に刺さった槍を抜き、飛んできたと思しき方向へ投げ返した。
それから自分の足に向かって火球を吐き、氷を溶かす。
プスプスと黒煙を上げる足を半ば引きずるようにして、巨人は前進を再開した。

>7
ラジャリは駆ける。マックスは動かない。
投げた短刀がマックスに届く直前、ラジャリは大きく腕を引き、全力でマックスのこめかみへ叩きつけた。
もちろんこれだけで倒せる相手ではないことは承知の上。本命はこの後。
そのまま左の掌打をもう一発。さらにもう一度右を返す。
相手の脳を強引に揺さぶる技だ。顎先を掠める打撃も同様の効果があるが、
マックスが相手では首の筋力で押さえ込まれる可能性がある。
それゆえにラフなやり方を選択した。
そして二発目の掌打が打ち込まれる。マックスの頭が揺れた。

三発目が入ったかどうかはラジャリに判断できなかった。マックスの拳に殴り飛ばされたからだ。
文字通り宙を飛んだラジャリは空中で体を捻って手を地面につき、ロンダートからバク転で着地する。
額が大きく切れて、血が溢れている。とっさに顎を引いて拳に額をぶつけたからだ。
(顎か顔に食らっていたら間違いなく立てんな…)
額で受けたおかげでダメージはない。
――などと言う事はなく、血が止まる気配も全くない。

「…これでは敵わんな。逃げるが勝ち、か」
ラジャリは踵を返して駆け出す。
しかし最初にマックスへ迫ったときのようなスピードは無く、追えば簡単に捉えられそうだ。

10 :イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/10/12(木) 18:58:11
>9
投げた槍は巨人の脇腹に浅く突き刺さり、誓音の右腕を狙った斬撃は、巨人の右腕を断ち切るに到らずに終わる。
思っていたよりも巨人の耐久力は強い。
中途半端な攻撃では倒せず、こちらの被害が大きくなる一方だ。

巨人は右腕を誓音を振り落とすように振るい、脇腹に刺さった槍を掴むと、イルの方に投げ返す。
勢いよく飛んできた槍はイルの遥か頭上を通過し、地平の彼方へ飛んでいく。
あの勢いを考えると、進行方向に城があったとしても、ものともせずに貫いていくだろう。

とても力が強く、耐久力も凄まじい巨人。
他の兵が放ったと思われる氷の術を、自身の足ごと火炎弾で溶かす。
巨人の足から黒煙が上がり、その半炭化しかけている足を引きずりながらも進む。
理性が消失た巨人は、生半可なことでは止まらない。

イルの現在の打撃力では巨人を倒すことは不可能。
巨人に効くような魔術を使用しても、その魔術の魔力に反応して誘爆する可能性もある。
誘爆などしたら、この模擬戦場にいる騎士達は一人残らず消え去ってしまう。
オーガスは何事もなく生きてそうだが。

イルはローブの袖口から切札とも言える赤い水晶を取り出す。
この水晶を使えば、一時的にだが身体能力や魔力が大幅に上昇する。
だが、イルの肉体では水晶の負荷に耐えられず、水晶の効力が途切れた後に、神経を削り取るような激痛が起きる。
なるべくならこの水晶は使いたくはない。
巨人と騎士達の様子を見て、使わざるを得ない状況を見極めることにした。



11 :マックス ◆BsGlQvuzhQ :2006/10/12(木) 23:15:15
>9
「お……?」
マックスは確かな手応えと同時に、予想外のダメージを受けていた。
ラジャリは吹き飛ばされはしたものの、空中で体勢を立て直すと、見事に着地をしてのけた。
だが、ダメージは確かに与えたようだ。額から血を流している。
ラジャリは分が悪いと見たのか、踵を返して逃走をはかった。
「……逃げるなら……」
彼は揺れる視界の中、走り去るラジャリの後ろ姿を捉えた。マックスの表情が苦々しげな笑みに変わった。
「……いや……もう遅いな……」
一歩足を踏み出す。揺れていた視界は更に揺れた。だがマックスの足は止まらない。
確実に視界が揺れていた。足腰はふらついていた。だが転ぶことはなく、足の勢いも増していく。
数秒経った頃にはラジャリを、もう十数メートル先の所までに捕捉していた。
「……大人しく……しろっ!」
一気に追い抜き、振り向き様にラジャリの両脚目掛けて蹴りを放つ。


12 :セシリア ◆TI6/2FuWqw :2006/10/18(水) 02:45:14
>9
氷は巨人の足を捉え、前進を阻む。
だがセシリアが次の一手を打つよりも、巨人の反応のほうが素早かった。
その視界にセシリアが映ったとたんに火球を吐く。
それなりに距離もあり、単発。避けるにあたって難となる事は何一つない。
だが、その威力は問題だった。最小限の動きでは直撃は受けずにすむが、余波が及ぶ。
セシリアは追撃を諦め、大きく横に跳んで火球の炸裂を回避した。

>「グアアアアァァァッ!!」
舞い上がった爆煙と土ぼこりが演習場を渡る風に吹き散らされ始める。
その瞬間、巨人の咆哮が轟いた。セシリアは魔石の力で風を起こし、強制的に視界を確保した。
晴れた煙の向こうには血を流しながらも足を前へ運ぶ巨人の姿があった。
血が出ているのは明らかに刀傷だ。誓音の音撃だろうか。セシリアは考えた。
だが、すぐに思い直す。誰がダメージを与えたかは関係ない。
足止めをしたはずの敵が何事もなく前進していることのほうが重要だ。

――何事もなく?いや、巨人の足からは煙が立ち昇っている。
それでようやく、自分の足ごと氷を炙って溶かしたのだと気づいた。
目指しているのは変わらずに本陣である。
「……ふむ」
セシリアは拳を顎にあてて少し考え込む。
妨害さえしなければ巨人はこちらへ攻撃を仕掛けては来ないというのは良くわかった。
つまり、何よりも本陣襲撃を優先させているわけだ。
では、知能が低そうな巨人が、何を持って本陣の位置を判断しているか。

軽く地を蹴って飛び上がり、そのまま本陣へ向かった。
着地はせずに並ぶ兵の頭上を掠めるように飛行する。
そして本陣を離れたセシリアの手には、旗手からもぎ取った皇国旗が握られていた。
旗は一流だけではないのでまだ本陣にも皇国旗は翻っているが、
目前でこれをちらつかせれば巨人の気は十分に引けるのではないかと考えたのだ。
「さあ、陛下はこちらにおわすぞ!」
セシリアは声を張り上げて巨人の目の前を何度も飛び過ぎた。

13 : ◆HpH6dBLcFw :2006/10/19(木) 04:11:12
>11
ラジャリの耳に背後から迫る足音が届く。
地面を踏み締め、蹴り付けるそのリズムは急速に接近してきた。
次の瞬間にはラジャリと並び、さらにその次の瞬間には前に出る。
>「……大人しく……しろっ!」
そして最後の一瞬、足音が止み、代わりに振りぬかれた足が空気を引きちぎる音が木々の梢を揺らす。

そう、丸太程度へし折りかねないマックスの蹴りは、ラジャリの足を刈ることなく『振りぬかれた』のだ。
逃げ出したときとは打って変わり、素早く跳躍して蹴りをかわしたラジャリの口元には笑みが浮かんでいた。
空中でマックスの肩に手を当て、着地と同時に腕を絡ませる。
マックスの蹴りの余勢、着地の反動、関節の反作用、全てを利用して――
「ぉおおおおっ!!」
ラジャリはマックスを投げ飛ばした。そのまま枝をへし折りながら、マックスは森を飛び出す。
良くて肩が抜ける、悪ければ二度とまともに動かなくなるような投げ方だが、
ラジャリの手にはそういった手応えはなかった。

「どこまでも化け物だな。……せいぜい化け物同士仲良くしていることだ」
そう言い残して森の中へ姿を消す。だがそこで膝をつき、崩れ落ちた。
出血が多すぎたせいで、意識が朦朧とし始めている。
「くっ、ここまでか……まぁ、時間稼ぎはアレがやってくれるだろうが……どうなるかな」
『アレ』と口にするのと同時に視線を上げる。重なり合った葉の隙間から、巨人の姿が見えた。
恐らくマックスはその視界に入るだろう。

>12
巨人は進む。止まる気配は微塵も無い。視界に映る旗は急速に大きさを増してゆく。
そして、視界から消えた。
ぶんぶんと左右に首を巡らせる。皇国の紋章が入った旗が飛び回っていた。
>「さあ、陛下はこちらにおわすぞ!」
そうか、ここが本陣か。なら次は――オーガスの打倒だ。巨人は即座に判断し、行動に移した。
目標であるオーガスを探す。…が。当然ここにオーガスはいない。
逃げ遅れている兵士達やマックスが視界に入る。
巨人は目に付くもの全てにて当たり次第に火球を吐き、手足を振り上げ暴れだした。

14 :巨人:2006/10/19(木) 15:25:28
おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

15 :誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/10/20(金) 22:02:52
振り上げられた刀は見事に腕を切断できなかった。
>「グアアアアァァァッ!!」
絶叫する巨人。
そして誓音はふっとんだ。
地面に着地する誓音。
どうやら思った以上に堅いらしい。
これは困ったものだ。
少々しかめっつらをする誓音。
するとどっからか声が響く。
>「さあ、陛下はこちらにおわすぞ!」
セシリアだ。
セシリアの機転で巨人は振り返る。
そしてオーガスを探し出す。
これはチャンスだ。
誓音は怪物の手を下に向け、力を蓄える。
そして巨人が暴れ出した。
誓音は灰色の怪物の手を白く輝かせる。
暴れるという行動は少なからずとも闇の属性を持つ。
即ち光の属性が有効と見た。
じわじわと怪物の手が灰色から白へと変化する。

-武洗白手の砲!発動。

武洗白手の砲、これは誓音が持つ大砲手の一つだ。
これは闇に犯されてる人間の闇その物を攻撃する砲。
対象物の闇の精神のみを攻撃し、浄化するため、
実際の肉体的ダメージはほとんど皆無に違い。
誓音は手を巨人の頭に向けた。

-雪光砲!

白い粒子状の砲が王に向かって放たれた。

16 :イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/10/20(金) 23:28:41
>12>13>15

>「さあ、陛下はこちらにおわすぞ!」
一人の騎士がオーガス皇国の旗を持ち、旗を見せつけるようにして、何度も巨人の前を横切る。
巨人はその旗の動きに反応してか、何かを探すような素振りを見せる。
巨人が何かを見つけることができたかどうかは知らないが、近くにいた兵士達に向けて火炎弾を放ち、手足を振り回して暴れだす。

誓音が暴れる巨人の頭部を狙って、白い粒子の砲弾を放った。
白い粒子の砲弾は魔族のイルにとっては、非常に相性が悪いのか、見ているだけで気分が悪くなる。
巨人にあの砲弾が効くかどうかは分からない。
だから、巨人にはあまり効果がないと仮定して、イルは動いた。

イルはローブの袖下から長剣を取り出し、呪文を唱える。
イルの姿がその場から消えると、次の瞬間には、巨人に狙われた兵士達の目の前に立っていた。

兵士達を狙っていた火炎弾を、イルは魔力を込めた長剣を振るい、かき消した。



17 : ◆pPAOEY1pWs :2006/10/22(日) 23:12:49
ランべの呪文詠唱はいよいよ終盤に入る。
じわじわと魔力を上げるランべ。全てこの一発で決まるつもりだ。

そして…これで…

ランべは静かに目を閉じる。
思えばあの時途絶えるはずだった命だった。
あの修羅場とも言える壮絶な戦で死んでいった仲間の事を考えると自分は随分長生きしたものだ。

「(今更悔いなど無い…)」

ランべは目を静かに開いた。
ランべから見る巨人は、濁りに濁り最早そこに何者かがいるという事しか分からない。

強者必衰の理は余りにも残酷だった。

「(これで全てを終わらせる…)」

静かに微笑むランべ。


「(そしてこれで……お別れだ。)」


ランべは上空を見た。
分身のランべとローズは抱えられて以前そこにいた。
口を動かす分身ランべ。そしてそれを黙って聞き入るローズ。
ランべは…再度決意した。

18 :セシリア ◆TI6/2FuWqw :2006/10/23(月) 02:43:15
>13>15
巨人は周囲を飛びまわるセシリアをしばらく目で追っていたが、
不意に視線を下げ、何かを探すようなそぶりを見せた。
何かを見つけたのか、それとも見つからないゆえの癇癪かはわからないが、
すぐに大暴れを始める。

「花火を見たい気分ではないんだ、すまないが」
空中で旗を地面に向かって投げ、その勢いで一回転したセシリアは呟きながら左腕を構える。
旗が突き立つ。同時にセシリアも撃ちまくった。巨人本体ではなく、火球が狙いだ。
『演習』で兵が死ぬなど、これほど馬鹿らしいことはない。
ところかまわず撒き散らされた火球を次々に落としていく。
撃ち漏らしもあるが、それくらいはまぁ避けるなりなんなりしてもらおう。

セシリアが右手側の火球撃ち落し、真正面から飛んできたものを
半回転してマントで弾くと同時に白光が空へと駆け昇る。
巨人とじゃれている隙に誰かが攻撃を仕掛けたようだ。
なるほど足元から上に向かって放てば周囲の兵も巻き込まずにすむ。
セシリアは光が収まり繰らぬ内に、もう一度氷を放った。狙いも同じく足だ。
ほんの短い間しか足止めできないのは先ほど証明済みだが、
裏を返せばほんの数秒は確実に止められたということでもある。
今放たれた一発で片がつかなかった場合、その『ほんの数秒』で十分追撃は可能になる。

19 : ◆HpH6dBLcFw :2006/10/25(水) 15:46:53
>15-18
巨人が吐き出した火球をセシリアがことごとく撃ち落していく。
だが巨人はそれを気にかける様子も無く逃げ散る兵士を蹴り飛ばし、
暴れる馬を引っ掴んで投げ、火球を吐きまくり…
つまるところ何一つ変わることなく淡々と大暴れを続けていた。

だから、下方に白く光るものに気がつくのが遅れた。
そして、気がついてそちらへ目を向けた瞬間、
巨人はその光が誓音からの一撃である事を知覚することも出来ずに撃ち抜かれた。
痛みは無い。だが何か体が溶け落ち、萎んでいく、そんな不快感があった。
実際にいくらか小さくなっている事には気がついていない。
頭を振り乱して悶える巨人の足を、再び氷が覆う。
それでも巨人は苦悶する事をやめなかった。
凍りついた足が折れる。
前のめりに地面に倒れこんだ巨人はなおも足掻く。
――まだだ、まだ目的は果たしていない。

「ガァアアアアア――――ッ!!!」
両腕をついて上体を起こし、そこから飽きもせず火球を吐いていた巨人が大きく咆える。
脇腹から、二対の肢が生えた。先には指は付いていなかった。
体内の魔力が妙な干渉を起こした結果が、肉体に現れたのだろうか。
すねの中程から先がなくなった足も変化を始めている。
急速に長さを増し、その分太さを減じながら何本にも枝分かれし、
最終的には下半身全部がムチのような触手の塊へと変貌を遂げた。

巨人―であったもの―は元からあった両の腕と新たに生えた肢で体を支え、
背からも生えた触手を出鱈目に振り回し、辺り一体をくまなく薙ぎ払い始めた。
合間合間に火球を吐く事も忘れない。
兵士をふっ飛ばし損ねて地面を打ち据える触手が、盛大に土ぼこりを上げていた。

20 :イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/10/25(水) 18:20:29
>18>19
誓音の放った白い光の砲弾が巨人の頭部に当たる。
その効果により巨人の体は若干ながら縮み、頭を振り乱して悶え苦しむ。
空を舞う騎士が苦しむ巨人の足下を凍りつかせ、巨人は前のめりに倒れた。

今が巨人を討つ絶好の機会なのだろう。
名も知らぬ兵士達がこぞって巨人に向かっていく。
だが、巨人の内包する魔力が変異し、さらに危険なものに変わっていくのをイルは感じ、その場から動かなかった。

>「ガァアアアアア――――ッ!!!」
二本の腕で上半身を支え続け、火炎弾を吐き続けていた巨人は咆吼を上げる。
巨人の脇腹から指の無い腕が生え出し、下半身からは触手を生やす。
巨人は巨人でなくなった。
上半身から四つの腕で体を支え、無数の触手のみとなった下半身と、背中から生やした触手をゆらゆらと漂わせている。
巨人の内包していた魔力に何らかの刺激を与えてしまった為に、このような変化を起こしてしまったのだろう。

「もう…使うしかないようですね…」
イルは手にしていた赤い水晶を飲み込む。
体の中で水晶が溶け、体に力がみなぎってくる。
イルは化け物に向かっていった。

化け物は触手を縦横無尽に振り回して暴れ、火炎弾も忘れずに吐いている。
どれだけの兵士達が被害にあったのだろうか。
近くにいたチェンバル国の兵士達は全滅していることだろう。

イルの目の前に触手が叩き付けられた。
土埃が煙幕のようにイルの視界を遮る。
イルは飛び上がって土埃の中から脱出すると、地面を叩き付けた触手の上に乗り、化け物に向かい走る。
触手の終着点、化け物の背中に到達すると、イルは魔力を込めて切味を増した長剣を、化け物の背中に振り下ろした。



21 :セシリア ◆TI6/2FuWqw :2006/10/28(土) 05:46:39
>19-20
光が失せ、巨人が苦悶する。その足を狙い過たず氷が包んだ。
だが巨人はその身を捩って身悶え続ける。
表面が澄み溶かしていた足がその動きに耐えられなかったのだろうか、
周囲を包んだ氷ごと砕けて折れ、巨人は地響きを立てて倒れこんだ。

巨人はそれでも体を起こし、火球を吐き続ける。
倒れこんだのを好機と見たか、一部の兵士が巨人へ向かっていったが、
彼らは自身が持っている武器が木剣である事を失念しているらしい。
「下がれ、あとは我らがやる!」
だが一喝された兵士らが実際に巨人から離れたのは、巨人の体に異変が起きてからだった。

虫の肢のようなものが脇腹から生え、両腕とともに体を支え、
下半身はばらばらと解れるようにして触手へと変化した。
そしてそれを出鱈目に振り回し始める。人や木や馬が軽々跳ね飛ばされていく。
その光景自体は先ほどとあまり変わらないが、頻度は数十倍だ。
何かを狙っているわけではなく、届く範囲内で闇雲に振っているようで、
草の根ごと抉られた土が舞い上がり、視界を遮っている。
さらに触手の隙間を縫いながら火球も吐き出している。
それを撃ち落したセシリアは、間髪要れずに指輪の魔石を起動した、
地面が隆起し、壁を作り出す。次いで鎧の魔石でその壁を凍らせる。
巨人の頭の位置が下がったため、ほぼ水平に火球が飛んで来るためだ。
撃ち漏らせば背後の味方に被害が出てしまう。

一応後顧の憂いを断ったセシリアの目に、土煙の中を巨人に向けて駆けて行く影が映った。
長髪、身長からすると女性だろうか。この状況下でわざわざ接近を図ろうというのだから、
何がしかの『手段』は持っているのだろう。とめる必要はないと判断したセシリアは巨人の後方へ回った。
のべつ幕なし振り回されている触手を先に何とかしないと、本体へ攻撃を届かせるのは面倒だと見たからだ。
左手を土煙に向かって大きく振る。突風が吹き抜け、舞い上がる土の中に一筋の道を作る。
はっきりと位置を確認したセシリアは、左腕を、今度は振り上げ、さらに振り下ろす。
土で出来た槍が幾本も天へ伸び、真空の刃がそこへ向かって放たれた。


22 :誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/11/01(水) 22:36:06
はっきりと分かる手応え

―効いた…!!

即座に次の攻撃に移ろうと取りかかる・
足が折れても足掻きに足掻く巨人。
ここまで来たら後は押すのみ。
しかし、戦闘とはいつも思いも寄らない事が起こる。
突如変化は始まる。
誓音の全身の肌に寒気が走る。
瞬く間に触覚の塊となる王。
誓音は唖然とする暇もなく背後に飛ぶ。
火球が襲ってきたからだ。
余りにも急な攻撃に避けきることはできなかった誓音。
誓音の怪物の手先に火が当たる。
「っ!!」
誓音は手先を見た。
白さに焦げの黒が混ざる。
誓音は暫くそれをじっと見た後、
巨人をしっかりと睨んだ。
ここまできたら最早救うも何もないような気がした。
しかしここで諦めたらお終いだ。
過去が声掛ける。

―殺ッチマエヨゥ

そう、
ファルコンとカイザーに救われたのにまた落ちてどうする。
誓音は一瞬歪んだ心蔵を手でうつと
軽やかに飛び上がった。
イルの魔力が恐ろしいほど上がる。
誓音は巨人に向けた手は相変わらずの白さを持っている。

「唸れ…」

-白虎砲!!

白き虎と化した砲が巨人の胸元へ飛んでいく。

23 :ホーリーバトル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/11/01(水) 23:43:06
>19-22
最早国王の状況は最早悲惨の一言であった。
足は折れ、その身は前へ倒れ、足掻くも何も出来ない状況。
まあ、嘗ての戦争の誇り高き勇者達が集団リンチ受けて、
魔術の力で強くなっただけの王様が無傷でいられる事はまず無いと思っていたが…。
まるで最後の悪あがきかのように暴れ続けている巨人をなんとも言えない表情でみつめるローズは呟いた。

「……酷い有様ね…」

そのつぶやきは呆れている様子が伺える。ローズを抱えるランべも黙り込む。
しかし、だからといってその目は完璧な勝利を見ている訳ではなかった。
二人は知っているのだ。
どんな生物でも窮地に追い込まれたときこそ恐ろしい物は無いという事と…

嫌な予感は大抵当たってしまうを。

>「ガァアアアアア――――ッ!!!」

猛獣のように叫ぶ嘗て王だった者。
そしてそいつの肉体に禍々しき変化が起こる。
脇腹に生えた四肢、そして次第にそれは肉体内で繰り返し起こる変化によって大きなものとなっていき…
王はあっという間に触角の化け物と化した。

「これは…」

思わずローズが何か言おうとした次の瞬間だ。
触角の化け物の触角の一部がもの凄いスピードでローズ達を襲ってきた。

「!?!!!キャァアッ!!」

思わずローズが叫ぶ。
しかしランべの分身はローズをいっそう強く抱きかかえるとまるで地上にいるかのように軽やかに左に飛び避けた。
ランべの分身のローブの端が少し欠ける。

ローブの端が欠ける?

一瞬それに寒気を覚える。
ローズはゆっくりと顔を上げる。そう、意識してないのにゆっくりと。
そして…そこに居たのは…

「――――ラン…べ…?」


半分肉体が欠けた、ランべだった。

ローズの顔色が変わる。
ランべは優しく笑う。

地上にいるランべは最後の呪文の一文を叫んだ。

「「Yo !God. It changes into the shuttlecock that brings my soul close to you and
it falls behind!」」


聖なる偉大なマリアの御加護!!!


ランべは巨大な白いマリア像と化すと、光の無数の粒子となり、巨人の餌食となった屍に宿った。

24 :ホーリーバトル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/11/01(水) 23:45:53
そしてランべの粒子を受けた屍は生き返る。
ローズは凄まじい光の中、自分を抱えているランべの目だけを見ていた。
そして気付く。

嗚呼…この男は…。

そして、生きが返った屍はイル、誓音、セシリアを助けようと生き返った兵達は巨人を押さえつけた。
聖なる御加護を受けた人間の力は凄まじく、
先ほどまで巨人の前ではただの虫けら当然だった者達の力は、まるで狩る側になったかのように豹変していた。

ローズを抱えていたランべに罅が入ったのがわかった。

25 : ◆HpH6dBLcFw :2006/11/02(木) 05:10:55
>20
大きく振り上げられた触手の一本が地面を激しく叩く。その上に、何かが乗ったのを巨人は感じた。
すぐさま触手を振り上げてそれを払い落とそうとしたが、その反動すらも利用して一散に駆け寄ってくる。
それがオーガスの手の者―イルであると気づいたときには、その姿は視界から消え、
次の瞬間には背中を激痛が走りぬけた。
「ゴガァァァァァァッ!!」
痛みに身を捩り、背に乗っていたイルを跳ね飛ばす。
長く深く走っていた傷は、薄く煙を上げながら見る間にふさがっていく。

>21
一層激しく振り回し始めた触手の一部が、動きを止める。同時に再びの苦痛。
セシリアの生み出した土の槍によって、下半身部分の触手が串刺しにされていた。
さらに新たな痛み。風の刃が土の槍ごと触手を一気に切り飛ばしていく。
巨人は反射的に残っている触手を振るい、土塊と触手の切れ端をまとめてなぎ払い、
セシリアへ叩き付けた。

>>22-24
後方のセシリアに気を取られている隙に、巨人は完全に兵士たちに囲まれていた。
これまでそうしてきたように、触手を振り回して跳ね飛ばす。
だが、これまでとは違い、跳ね飛ばされた兵士たちはすぐに起き上がり、徐々に包囲を狭めていく。
すぐに一人の兵士が巨人の肢に取り付いた。巨人は肢を振ってそれを振りほどく。
その間に別の兵士がほかの場所に取り付く。
いかに強化されているとはいえ、一人一人では巨人に適うべくもない一兵卒だが、
取り付き、振りほどかれ…と繰り返すうち、巨人の動きは明らかに阻害され始めた。

巨人は先ほど氷から抜け出したように、自分の足元に火球を吐き一気に脱出しようと、大きく胸を反らせ息を吸い込む。
そして体を振り戻した瞬間、その胸元を誓音の技が襲った。同時に火球が炸裂し兵士を吹き飛ばしたものの、
先ほど感じた不快感がより強く巨人を苛む。

「ゴオオオオオオアアアアアアッッッ!!」
一際大きく咆えた巨人の傷が一気に治癒する。――が、それに伴って全体が徐々に萎んでいく。
暴走した魔力は活動の源であると同時に、身体を構成している一部であるため、
急速な身体の再構築によって失われた魔力の分だけ体積が減っているのだ。
やや小さくなったながらも完全に元の姿を取り戻した巨人は、
回りに群がる兵士を触手で遠ざけはするが、しかし動こうとはしかった。

今、巨人と化した王の脳裏にあるのはオーガスの打倒、それのみである。
しかし思考力に乏しいながらも現状の戦力差ではそれが困難であることは理解できた。
(そもそもオーガスがいる場所を間違えているわけだが)
だが、持ち得るすべての手段を用いて、オーガス打倒を果たすという目的は何があっても曲げられない。
――では、どうすべきか。
『持ち得るすべての手段』、その最後に置かれたものをここで使うより他はない。

巨人の体内を魔力が駆け巡る。
兵士達を跳ね除け続ける間にも魔力の加速はとどまる気配を見せない。
やがて巨人の身体が小刻みに震えだす。鍋蓋が蒸気でカタカタと音を立てるように。
放っておけば今にも『蓋』を跳ね飛ばして、何かが弾けだしそうな様子だった。

26 :イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/11/04(土) 22:27:49
>21->25
確かな手応えがあった。
化け物は苦悶の叫びを上げて触手を激しく振り回し、痛みに身を捩らせる。
化け物が激しく動く為、その場に立っていられなくなった。
イルは軽やかに跳躍し、化け物から離れた地面に着地する。

オーガス騎士達の化け物に対する攻撃は止むことはない。
激しく振り回される触手に大きな土の槍が突き刺さり、突き刺されて動かなかった触手を、土の槍ごと真空波が切り飛ばす。
空に忌々しき巨大な聖母の像が現れ、光の粒を戦場にばら蒔く。
倒れた兵達の屍に光の粒が浴びせられ、兵達は死者の国から舞い戻り、再び化け物に挑んでいく。
人間達にとって聖なる加護のバックアップを受けた為、死ぬ前よりも格段に強くなっている。
今度は簡単にやられることは無いだろう。

化け物は、自身の体に張り付いてくるゾンビ兵達を振りほどこうと触手を振り回す。
ゾンビ兵達は振り払われるものの、すぐに化け物にまた張り付きにいく。
そのことに煩わしさを化け物は感じたのだろう。
ゾンビ兵達を一気に焼き払おうと火炎弾を吐く体勢をとる。
火炎弾を吐こうとした瞬間、誓音の虎の形を模したエネルギー体が化け物に当たった。

>「ゴオオオオオオアアアアアアッッッ!!」
化け物は大きな叫び声を上げると肉体を再生させる。
代償として肉体の大きさが縮んでいるが、暴走した魔力が消費している為であるからだろう。
だが、化け物の内包する魔力が急激に高まる。
残りの魔力を無理矢理に高めるそのやり方。
あれでは肉体が耐えきれずに爆発してしまうだろう。

「自爆を狙っているのですか?」
化け物の体が小刻に震え出す。

「そんなことはさせません!!」
イルは化け物に向かって走り、先程と同じ様に触手に飛び乗って、化け物の体を走る。

「その魔力、貰わせていただきます」
イルは化け物の魔力を無害な形で大気中に放出するべく、長剣を化け物の背中に突き刺そうとした。


27 :セシリア ◆TI6/2FuWqw :2006/11/07(火) 14:05:27
>22-26
隆起した土が触手を縫い止め、動きを止めたところで風の刃が根元からそれを切り飛ばしていく。
巨人は切断された触手が地へと落ちる前に残った触手を水平に振り、
触手の切れ端と抉れた土をまとめてセシリアへ向けて飛ばした。
セシリアはその場でくるりと一回転してマントを大きく振る。
巻き起こった旋風が、飛んできたものを弾き飛ばす。周辺に盛大に土煙が立ち、また視界を塞いだ。

もう一度風を起こして土煙を払うのと、光るものが戦場に降り注いだのはほぼ同時だった。
上空を見上げると聖母像が輝いている。いぶかしみながら視線を水平へ戻すと、
光を浴びた兵士たちが起き上がるのが見えた。折れた腕を揺らし、血の跡を引きずって、
兵士たちは巨人へ向かってゆく。すぐに触手で跳ね除けられるが、即座に起き上がり、また巨人へ向かう。
程なくして巨人の足元は兵士たちに完全に押さえ込まれた。
巨人は煩わしげに大きく身をのけぞらせる。火球を吐いて爆風で兵士を一気に散らすつもりだろう。
反らせた身体を勢い良く前へ戻す。その瞬間、白い光を曳いた虎がその胸元へ飛び込んだ。
同時に火球が炸裂し、兵士と地面を一気に吹き飛ばす。

吹きぬけた風が土煙を運び去った後には、身悶える巨人の姿があった。
大きく咆哮し、身を捩る。と同時に切り落とした触手が次々と再生していった。
それに伴って肉体が縮小していく。回復に要するエネルギーは身体を分解することで得ているらしい。
吹き飛ばされた兵士たちがまた巨人に寄って行くが、巨人は密度を取り戻した触手の攻撃でそれを寄せ付けない。
しかし前進を再開するかと思われた巨人はその場にとどまり、ただ寄ってくるものを跳ね除けていた。

が、すぐにその身体がひきつけを起こしたように震えだし、内在する魔力が急速に膨れ上がるのが感じられるようになった。
「…さしもの陛下と言えどこれに巻き込まれては――」
いや、たぶん無事でいるだろう、とセシリアは思ったが、兵や自分らが無事でいられる自信はない。
なんとしても食い止めなくてはならない。すぅ、と細く息を吸った。
鎧と腕輪とマントの留め金の石がそれぞれ光を放つ。
「ぃ行けぇっ!!」
セシリアが叫ぶと同時に、氷片混じりの旋風が巨人の足元から吹き上がった。


28 :誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/11/10(金) 22:11:09
多大なる猛撃。
復活する兵。
それは、どこか幻想的に感じられる。
誓音は驚いた。
何が起きたのか分からない。
一時的でも、
人が生き返るというのは
そう簡単な事ではない。
兵に抑えられる王。
こんな異様な光景の中、
誓音は王が突如震え始めたのに気付く。
この流れ。
このパターン。
誓音は察した。

「自爆する気ですか…!?」

誓音は地面に手を当てた。
イル、セシリアもなんとか止めようとする。
そして誓音も。
地面が白く輝く。
「我!天神に捧ぐ!」

―白柱砲!!

そして次の瞬間王の胸に一筋の光が地面から出、
王の心臓を貫いた。
最後の精神へのトドメのつもりだ。
一瞬にして
抵抗力を無くさせ神へ屈服させようとする光は、
王を貫き天高く舞い上がる。
誓音は王を睨んだ。

29 :ホーリーバトル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/11/10(金) 23:08:38

地上の激闘の中、宙は静かだった。

「……ランべ?」

名前をもう一度呼ぶ。しかしランべは何も語らない。目についた十字の罅。
ローズはその罅を見たことがあった。

――それは、医学本に記されたある病気に犯されてる証。
その病は名前は忘れたが確か原因不明の聖病の一つで、よく歴代の英雄達がなると言われており、その症状は…

身体の中をじわりじわりと蝕み、最終的には十字の罅が入り砕け散るという物。

ローズは震えた。そしてスッとランべの顔に触れる。
するとランべのローズを抱えていた腕が砂となり堕ちた。
そしたらローズも堕ちる。

しかしローズは綺麗に宙を一回転するとローズは地面に着地した。

―ストンッ…。

着地し暫く呆然とする。
そして、いずれランべの残っていた身体は灰となり次々にローズの頭上に振ってきた。
気付けば本物のランべも灰と化していた。
戦場の中、ローズだけは水を打ったかのように静かになっていた。

…そしていずれ灰と一緒に手紙が振ってくる。

暫くじっとした後地に堕ちた手紙に気づきそれを拾い上げるローズ。
自爆しようとする巨人。それを止めようとするイル。そしてローズは手紙を開いた。
そしてローズは、そこにあった文字に目を見開く。
そこに書かれた文字の一つ一つを拾い上げる。

――ランべ…貴方…。

「ロ、ローズ殿!!」

するといきなり死んだはずの暗殺者の剣士が駆けて来た。

30 :ホーリーバトル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/11/10(金) 23:13:40
気付けばマリア像の力を受けた兵達の傷が無くなっている。
暗殺者はおどおどした様子でローズに聞いた。
「い、いいい一体何が起きたんですか!?ききき気付いたらこの状況でありまして。」
「黙れ。」
そう一喝するローズ。それに暗殺者の顔は固まる。
しかしそんな暗殺者に目もくれず、ローズは手紙を丸め剣を抜いた。

「…全く…かっこづけにもほどがあるわね…。」

そう呟くと巨人を鋭い眼光で見る。
そして次の瞬間、ローズは薔薇の種を数個地面に落とす。(>>25)
そして、水筒の水を剣の刃にぶっかけながら、先ほど語ったランべの言葉をローズは思い出した。。

『絶対的不利な状況の中、嘗ての歴代の戦士達に勝利を掴ませた力を知ってるか?』

…それは…。

"大切なモノを護るという意志!!"

そしてローズ種に向かって剣を突き刺した!!

――ザクッ!!!

「「毒炎の赤き薔薇!!発動!!」」

そう大声で叫ぶ。そして次の瞬間地面に一直線に亀裂を入れながら赤い薔薇が巨人へ暴れ狂いながら襲いにかかっていった!
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
毒炎の赤き薔薇
対象者に蔓をからみつかせ、炎上する薔薇。

31 : ◆HpH6dBLcFw :2006/11/13(月) 02:53:19
>26
周囲にいる兵士達を跳ね飛ばし続ける触手に、イルが飛び乗り、走る。
先ほどとまったく同じに巨人の背まで駆け上り、剣を振り下ろした。
切っ先が深々と瀬に埋まる。巨人は即座に触手を伸ばしイルを投げ飛ばした。

>27-30
その瞬間、胸板から背に刺さった剣までを大地から立ち昇った白い光が貫き通した。
完全にイルに意識を取られていた巨人にはそれを避ける術などなかった。
自らの黒々とした部分を照らし出されるのを嫌がるかのように身を捩る巨人へ、
さらに吹雪と炎が襲い掛かる。烈風に吹き上げられた氷片が巨人の全身をくまなく切り裂き、
踊る炎が血の吹き出す傷口を炙る。血と肉の焦げる臭いもまた、
氷片とともに風に巻き上げられて行く。

それぞれが多大な打撃を巨人にもたらした。
負った傷を治癒しなければ魔力が高まりきる前に死に至る可能性がある。
しかし、傷を治すには魔力を消費する。
魔力を消費しすぎると、自爆の威力が小さくなってしまう。
巨人は傷を治癒しないことを選択した。
流れ出る血の量と比例してますます魔力が高まっていく。
ほんの数秒で、針で突付けば破裂するのではないかというほどまでになった。

そして、実際に弾肩口の辺りで小規模な爆発が起き、血と魔力が溢れ出た。
もちろん誰かが針で突付いたわけではない。
深手を負った体は、魔力を循環させ増幅する器としての強度を持たず、
高まった魔力の圧力に負けてしまったのだ。
開いた水門から水が流れ出ていくように、巨人の傷口から勢い良く魔力が流れ出してゆく。
やがて、巨人の身体は砂と化して崩れ落ち、内部に残っていたいくらかの魔力が一気に吹き出して、
跡形もなく吹き散らされた。

あとにはチェンバル王が倒れていた。かたわらには巨人の背に刺さっていた剣が突き刺さっている。
連合側の王の一人がその姿を見つけ、即座に号砲を撃たせた。
――総大将の撃破による、演習の終了である。
やがてチェンバル軍の近衛と典医がやってきて王の身体を調べ始めた。
気を失っているだけとわかると、すぐに王を運んで本陣へ戻っていく。
とりあえずの区切り、というわけである。

『あとのこと』に関してはまた別の話だ。
もっとも補償にいくらかかった、などという話をわざわざ聞きたい者もいないだろうが。

他に言うべきことがあるとすれば――
チェンバル王の器では未来永劫オーガスに勝つのは無理であるということだけだった。


32 :イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/11/13(月) 13:50:01
>27->31
イルは化け物の背に長剣を突き刺すことができた。
そして、これから魔力を放出させようとする矢先、化け物がイルに触手を向けてくる。
イルが触手に気付いた時には、触手はイルを掴み、大地に投げ捨てていた。
イルは地面に叩き付けられる前に、魔力で体を包み込む。
魔力が衝撃を緩和し、激突の際、多大なダメージを負うことはなかった。

イルは身に覆った魔力を消し去り、再び化け物に挑もうとする。
だが、他の騎士達が化け物に対し、大規模な攻撃をしており、迂濶に攻めていっては巻き添えを喰らってしまう。
イルは騎士達の連続攻撃の切れ目を待つことにした。

連続攻撃に切れ目が現れ、イルは化け物に向かう。
化け物の体は今にも張り裂けそうな程、魔力が膨れ上がっている。
魔力を放出させて助けようとするなど、もう不可能である。
殺すしかないと、イルは思った。
だが、事態はイルの予測とは裏腹に、良い方向に向かっていくことになる。

化け物の傷口から小規模な爆発が起こり、爆発が起きた傷口から、血や魔力が流出する。
その流れは止まることはなく、魔力が流れ出るに従い、化け物の体も砂に変わっていく。
化け物の体が全て砂と変わった時、残った魔力が弾け、化け物の体は跡形もなく消え去った。
化け物が居た場所には、チェンバル国王が倒れていた。

模擬戦終了の合図の号砲が鳴った。
チェンバル国王の下に側近等が近付いて、国王を調べた後、国王を自陣に運んでいく。
イルは地面に突き刺さった長剣の下に行き、長剣を地面から抜き、ローブの袖口に入れた。

イルは誓音の方に歩いていく。

「これで私達の仕事も終りでしょう。
 私達も本陣に戻りましょう」
イルは誓音にそう言うと、オーガス軍の本陣に向かい歩いていった。



33 :セシリア ◆TI6/2FuWqw :2006/11/18(土) 15:37:20
>31-32
渦を巻いた風が勢いを増す直前、白光が巨人を貫く。
間髪を入れずに風が氷とともに荒れ狂う。
そこへ、誰が放ったものか炎が纏わりつき、氷で引き裂かれた巨人の身体を焼く。
背に刺さった剣が、炎を反射してぎらぎらと光っていた。

風と炎が収まりかけ、巨人の姿が見え始める。
黒く焦げた皮膚の隙間から赤い血と肉が覗いていた。
さっき見せた回復力であれば、おそらくこの傷も瞬時に塞げるだろう。
だが巨人はそうしようとはしなかった。
傷口から血があふれる。その流れ出た分を補うかのように魔力が一気に膨れ上がる。
セシリアは魔石を構えた。竜巻で巨人を上空まで吹き上げ、そこでもう一撃食らわせるつもりだ。
だが、風が渦を巻き始める直前、巨人の身体が弾けた。

――間に合わなかった。セシリアはそう思った。だが予想していた衝撃は来なかった。
見れば弾けたのは肩口だけで、そこから血と魔力が流出している。
恐らく、高めた魔力を物理的な力に変換して放出するのに体の強度が追いつかなかったのだろう。
肩の傷から始まった崩壊は全身に及び、やがて砂となって崩れていった。
身体の中心部に残っていた魔力も砂の器を破って弾け、風となって散っていく。
セシリアはマントを口元に当てて砂が運び去られていくのをやり過ごし、
それから草や砂が波紋状に広がる中心に眼をやる。
そこに倒れていたのはチェンバル王だった。
どういう経緯でかは知らないが、恐らく何がしかの術を施されたのだろう。
先陣を切るために、自ら進んで。
伝え聞く王の気質ならそれくらいやるはずだ。
そういう気質自体はセシリアは嫌いではなかった。
(それによってこうむった迷惑を許せるほどではないのだが)

程なくして周囲に舞っていた砂埃が収まり、視界が晴れる。
ほぼ同時に号砲が鳴る。演習終了の合図だ。
すぐに連合軍のほうから馬車を連れた一部隊がやってくるのが見えた。
倒れている王の身体を改め、それから馬車に乗せて後送していく。
この模擬戦は日程の最後、つまり今回の演習はこれですべて完了というわけだ。

「やれやれ、再編にどれほど手間を取られるか……」
セシリアは振り返って呟いた。
騒動の大きさの割には被害は少なくすみそうだが、
使い物にならなくなった兵や装備が皆無というわけではない。
そしてそれらの調達にはまた予算がかかる。
抗魔戦争からまだ間もなく、国土の復興にも同様に予算を取られている現状で、
速やかな再編は望めないだろう。

だが――多くの兵が、本物の死線を潜った。
今回はそれで良しとしなければならないだろう。
経験は金を積んで得られるものではない。
そしてその経験は、これから先起こるであろう戦い、
恐らくは、あるもの全てをかき集めてみてもなお足りない、
そんな戦いへむけ、小さいながらも確実に有利な材料のひとつになる。

セシリアは空を見上げた。
そんな小さな成果を、一体いくつ積み上げれば届くものだろうか、と考えながら。

34 :名無しになりきれ:2006/11/21(火) 22:42:57
正義とはなんぞ

35 :誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/11/23(木) 00:14:56

チェンバル王に当たった光は胸を貫き、
そしてチェンバル王は燃えていった。
しかしそれでもチェンバル王は挫けない。
王はなんとしてでも自爆する気だった。
まさに満身創痍だ。

「っ…!!」

誓音は防御壁を出そうと構える。
しかしそれは無駄な行動となった。
魔力の循環が上手くいかなくなった国王が自爆する前に魔力漏れをしたのだ。
国王はみるみるうちに元に戻った。
それと同時に鳴り響く模擬戦終了の合図の号砲。

模擬戦はこうして終わった。

呆然と立ってた誓音にイルが話しかける。

>「これで私達の仕事も終りでしょう。
> 私達も本陣に戻りましょう」

「・・・そうですね・・・。」

ぽつりとそう言うと誓音は本陣に向かう。

その後、チェンバル王がどうなったかは誓音は知らない。

36 :ホーリーバトル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/11/29(水) 00:44:00
薔薇の蔓は巨人を抑えつけ、紅く燃え上がった。
しかしそれだけじゃ収まらない事ぐらい重々承知だ。
体内の魔力の強力な荒れを感じ取るよローズは剣を腹に狙いを定めた。
本来ならば頭に投げつけて殺してやりたいところだが、今回はそういう訳にはいかなかった。
狙いをしっかりと定めるローズ。そして身を反らした!

…が、

―パンッ!!

血管が弾ける音が響く。
「…!?」
ローズは身を反らしたまま刀を落とす。目の前に現れたのは血の赤い大木だった。
大量の血と魔力を吹き出し小さくなっていく王。
ローズは暫くそれを無表情でじっとみると固まっていた腕を下に降ろした。
「…魔力…漏れ……ってやつですか…」
そばにいた暗殺者が呟く。
要するに王の身体は自分の中の巨大な魔力の変化についてこれなかったのだ。
ローズは暫く黙り込むとため息を一つ付き腰に手をついた。
そして暫くぐいっと目を抑えると地面に堕ちた刀を拾い、王に背を向ける。

「ロ、ローズ殿…どちらへ!?」
「家へ帰るわ。」
「え!?雇い主様の家へですか!?」
「…何仰ってるの?私の家よ。もう私は貴方たちみたいな人間に一切触れたくもないわ。」
「い、いや!でも貴方様が消えてしまわれたら…わ、私は、雇い主様にどのように報告すれば…!!」

慌てて訪ねる暗殺者にローズは一つため息をつくと暗殺者の方へ振り返り言った。

「そうね…薔薇騎士ローズは天下の皇帝騎士様様を殺そうとした己の罪の意識に芽生え、
それを償うために『神に最も近い不条理』を殺しに旅立ったとでもお伝えしておけば。

きっと貴方の雇い主様はさぞ、愚かな女の改心を知り顔を青ざめてお喜びなるでしょうし。」


37 :ホーリーバトル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/11/29(水) 01:15:14
そう言うとローズは再度背を向け歩き出す。
ローズの発言を聞き顔を青くする暗殺者、鳴り響く号砲。
そして次の瞬間風が吹いたかと思うと、足下にローズがくしゃくしゃにしたランべの手紙が張り付いた。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
拝啓、薔薇騎士ローズ様へ

ひさしぶりだな、ローズ。
あの戦い以来、お前が様々な場所、時間を彷徨い歩いているという事を風の噂で聞いている。
お前にはどうやらまだあの戦いの傷が残っているようだな。無論、それは私も同様だ。
あれ以来私は戦に出る度にその傷が疼き、剣を握る手が震える。
しかしそれに耐えても戦に出るのが戦士たるもの、
私はいつもその手の震えを抑えながらあの後も戦に出てきた。しかしだ。
抗魔戦争の時だけは違った。
手の震えはなかった。心臓の鼓動が激しくなることもなかった。

ただ、剣を握る気にならなかったのだ。

そして、悟った。
これは私が死んでしまった事を。
嘗ての勇ましき戦を憎み、愛した男であったランべは死んだのだと。
それならば今の私は存在することに意味など無いだろう。
私はそう思い、自ら命を絶とうとしたの…

だ が、

突如状況は一変した。絶対者の情報が入ってきたからだ。
絶対者の話を聞けば聴くほど絶対者はどうもあの悲劇の根本のような気がしてならない。
そして私は絶対者となんらかの接触をするべきだという考えに至った。
しかしだ、私は先ほど書いたようにもう戦士としては使い道は無い。
そこでお前の力を借りようと考えたのだ。

38 :ホーリーバトル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/11/29(水) 02:07:31

そうと思えばまずはお前を捜さなければならなかった。
しかし私はお前とは戦上の関係しかない故、家も知らない上、
お前は彼方此方の戦に顔を出す故、なかなか接触が出来ない状況。
なので私は情報を少々操作し、餌を撒かせてもらうことにした。
それがオーガス皇帝騎士暗殺だ。
何、お偉いさんと皇帝騎士に近い人間をちょっくら監禁して化けなければならなかったが
それぐらいは腐れ縁の仲間と一緒にやれば容易い。

そして案の定君は網に掛かってくれた。

それを知り私は大層愉快になった。
やはり人とはいつ騙しても楽しいものだ。
こうなればさらに騙すのが男という者だろう。
そこで今度は私が死ぬという小芝居をする事にした。
まんまと騙されたか?ん?ん?そーれ悔しがればーかばーか。

ま!どうせお前の事だ!人一人殺すのに沢山死者を出すと思って蘇生術も死ぬ前にしてやってやると思うからそれでチャラにしておけ!

…と、言うわけで私は生きている。
取りあえず今回はお前が何処にいるのかいつでも分かるよう超強力な探知魔法を付け、いつでも呼び出せるようにできた事だし、
(実はこの手紙の封筒を開けると魔法が掛かるように設定しておいたのだ。)
絶対者の存在を知らしただけでも十分な収穫だろ。
俺は取りあえずここらへんでドロンする。
また強制的に呼び出すと思うがそんときはよろしく。


では、また絶対者編で会おう!

PS.人とはそう数年で変わるものじゃないぞ?ローズ。

                       Byランべ

39 :イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/11/29(水) 23:13:21
合同演習は終った。
暗殺者のことはオーガスに知られず、チェンバル国王が化け物へと変化したのは、魔力の暴走による事故として処理された。

「くそ……そんな面白そうなことがあったんなら、この俺も遊びに行ってやれば良かったぜ……
 あんまり楽しめそうにないと思ったから魔界に残ったのによぉ……」
地上から帰ってきたイルの土産話を聞いたFALCONは、本当に悔しそうに言った。
サタンとの戦いの後、魔界に帰ったFALCONは、絶対者という底の知れない強敵と戦う為、厳しい修行を日夜行っている。
今回の合同演習の一件は、現在のFALCONの強さを試す、絶好の機会だったことだろう。

「はぁ……FALCONって本当に戦うのが大好きなんだね」
イルは呆れたように言った。
イルはFALCONと一緒に修行をするのは好きだが、戦うことは余り好きではない。

「くくく……当たり前だろ。
 戦闘民族の血を引く俺にとって、戦うことは最高の喜びの一つなんだ」
FALCONは自慢気に答える。
その予想通りの回答に、イルはため息をつく。

「そんなんじゃ、絶対にいつかまた死んじゃうと思う。
 FALCONは魔界でやることがあるんだから、死んじゃいけないの。分かってる?」
現在、FALCONは魔界に領地を持つ魔王の一人に数えられている。
七つの大罪を司るような大魔王ではないが、
ガストラ帝から魔界を救ったことや、仲間と共にサタンを撃退したということで、他の魔族達に高く評価されているのだ。

「あぁ……分かってるさ……
 俺が死ぬ時はな、限界まで突っ走っていった後だ。
 何があっても、俺は立ち止まらないっていう強敵との約束があるんだからな……」
FALCONは着ていた黒いコートのポケットから、黒く塗られたサイコロを取り出す。

「俺は……必ず大切な奴らを守ってみせるぜ……なぁ、ザジン……」
FALCONは黒いサイコロを握り締めながら、あの世にいる強敵に届くよう祈りながら囁く。
そんなFALCONを、イルは暖かい目で見つめ、ずっと支えていこうと心の中で誓ったのであった。




40 :名無しになりきれ:2006/12/08(金) 18:27:20
カイザーは?

41 :名無しになりきれ:2006/12/10(日) 22:41:37
人が来ない・・・・

42 :第六部プロローグ ◆SgWfYeW0n6 :2006/12/15(金) 14:42:08
抗魔戦争から一年の後、法皇庁は黙示録発動を宣言。
時同じくして七人の御使いが天界より下り、同盟諸国に勧告する。
彼らの要求は、皇国及び同盟諸国の即時武装解除と天界への無条件・全面降伏。
これを不服とした皇帝オーガスは同盟軍全軍に徹底抗戦を指示、水面下で「絶対者」討伐隊の出立を促す。


――オーガス城――
猶予として人界に与えられた一ヶ月が過ぎると、天界の軍勢約三万が皇国首都オーガスへ降下を開始した。
対する皇国軍は、大陸随一の実力と名高いオーガス騎士を先鋒とし、城内・城下に防御線を敷く。
天使軍前線は、空を舞う重装歩兵と戦車隊。
一度戦端の口火が切られると、皇国軍の長弓兵が放つ矢と、天使が投擲する魔法の槍とが宙を入り乱れる。
矢と魔法の雨中を掻い潜り城壁へ取り付いた天使たちと、皇国軍兵士たちとが激しく切り結ぶ。
天使軍が目指す場所は唯一つ、皇帝騎士オーガスの座す玉座の間だ。

空中からの攻勢に加え、城下へ着陸した戦車隊が門前に殺到する。
彼らと抗するのは皇国軍最強戦力、オーガス騎士団。


――同刻、フレゼリア城――
教会派に占拠されたフレゼリア城門前へは、
法皇庁勅令により国外追放処分となった、女王ヴェスタのクーデター軍が迫っている。
女王を支持するかつての重臣たちが、同じく女王派の軍人らや農民兵を束ね上げ、反乱軍を組織していたのだ。
反乱軍は装備こそ教会派に劣るが兵力では上回り、士気も高い。
高度に訓練されたフレゼリアの教会騎士団を農民軍の人海戦術で打ち破ると、遂に城下へと達した。

オーガス追従を公言した女王を追放し天界と法皇庁に与した貴族・司教たちは
自軍の劣勢を目の当たりにすると跪き、神に祈った。
「天に召します我等が父よ、どうか! 神徒に弓引く不信心者の軍勢に、今こそ鉄槌を!」
祈りが通じたためかは定かではない。が、彼らの望み通りに天使軍はフレゼリアに下った。

城門に押し寄せていた農民軍の破城槌が、雷に打ち砕かれる。
周囲の兵が雷撃にたじろぎ退いた隙間へ、突如として現れる天使の一団。
各々が銀の鎧で身を固め、剣を手に手に反乱軍と対峙する。
天使の人数はたった数十人と然程も多くはないが、聖魔力を纏い金色に輝くその姿、威圧感は万の兵に値した。
彼らを前にして、農民兵たちは更に後退する。
攻勢は滞り、それまでの勇ましい雄叫びが沈黙とか細い悲鳴に成り代わった。
勝ち戦の昂揚感を奪ってしまえば、
個々人は急ごしらえの木槍か鍬、鋤を一本抱えただけの、兵法も剣も知らない、只のしがない農夫ばかりだ。

後退は留まるところを知らない。特に皆が恐れをなしたのは、一団の先頭に立つ二人の天使だった。
どちらも他の天使とは違っておよそ異様な風体をしているが、二人の尋常ならざる存在感に誰もが気圧された。
緊張に耐え切れず、群集の内の何者かが先頭の天使へ弓を射る。
それに続いて気を取り戻した者達が、天使たちへ次々と弓を射、石を投げつけ始める。

43 : ◆SgWfYeW0n6 :2006/12/15(金) 14:43:35
【同盟軍所属のコテさんはオーガス城、
天界所属のコテさんはフレゼリア城から開始して下さい。
各自プロローグと戦闘シーン(これは自由)投下をお願いします。

全員のレス投下が確認されたところで各勢力召集を行います。
敵はNPCなので、決定リールでどんどん狩ってしまって下さい】

騎士スレ避難所4
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1164892156/l50

44 :名無しになりきれ:2006/12/15(金) 14:44:24
またフレゼリアかこの男は

45 :カイザー ◆OrJKdYNK3U :2006/12/15(金) 19:57:14
>42
青々とした大空に程良く白い雲が浮かび、太陽がそれを照らす。
大陸には草木が生い茂り、所々に街や村が見受けられる。
風は緩やかに流れ、人肌には心地良い。

白い大きな翼を羽ばたかせ、雲を割る一つの影があった。
「カイザーさん、絶対者なんて本当にいるんですかね?」
ペガサスが暢気そうな声で、カイザーに話し掛ける。
「俺も信じがたいが、天界の動きが答えだろうな。
 絶対者がいなかったら、あんな行動をする意味がない」

『あんな行動』というのは天界が人界の全面降伏要求をした事である。
一ヶ月という猶予期間を設け、人界に考えさせる期間を与えた。
無論、オーガスがそのような天界に都合の良い要求を呑む筈もなく、人界は戦いの準備を始めた。
だが一ヶ月というものは、何もしないには長いが、何かをやっていると瞬く間に過ぎてしまうものだ。

今日で猶予期間は終わる。つまり、明日から天界との戦争が始まるのだ。
「そのはず、なんだが…」
カイザーは少し先を見ている。
大地には先の戦争での損傷も回復させて本来の姿を取り戻したオーガス城があり、
そして
>皇国軍の長弓兵が放つ矢と、天使が投擲する魔法の槍とが宙を入り乱れる。
>矢と魔法の雨中を掻い潜り城壁へ取り付いた天使たちと、皇国軍兵士たちとが激しく切り結ぶ。
どう見ても戦いが始まっている。

「…カイザーさん、もしかして計算間違えたんじゃ…」
「そんなわけあるか、31日間ぐらい数える事はできる」
「……先月は30日で終わりです。」
「………」

そんな会話をしていると、一本の槍がペガサスの足を翳めた。
「ちっ、天使がこっちに気付いたようだ。
 俺が応戦する。お前は回避行動にだけ集中しろ!!」
「分かりました!」

カイザーが剣を手に取り戦闘体制に入った時には、10人の天使が周りを取り囲んでいた。
オーガス城への攻撃を優先させるため、最小限の天使がこちらに送られている。

10人の天使が一斉に魔法の槍を放った。
ペガサスは急上昇し、その攻撃を回避する。
そして、一人の天使が上を見上げた時、その天使の視界が闇に包まれた。
カイザーがその天使の顔面を蹴ったのだ。
天使は地面に落ちる。そして、蹴った反動を使ってカイザーは次の天使の元へと跳んだ。
魔法の槍が放たれるが、右手に持った剣を振るい魔法の槍を掻き消してゆく。

そして1人の天使が翼を斬られ、地面に落下してゆく。
続いて、落下する仲間に気を取られた天使の翼を光の刃が襲い、そして聖闘気弾が3人の天使を撃ち貫く。

カイザーは再びペガサスに乗った。
「残り5人…待ってろ、オーガス城」

46 :FALCON ◆uKCFwmtCP6 :2006/12/16(土) 07:21:20
>42
天国から地上を支配する為にやってきた神の使い魔達。
このオーガス皇国には、ざっと三万人位の軍勢がやってきただろう。
これは久しぶりに楽しい戦いができる。
そう思っていたのだが……

「弱すぎんだよっ!」
空の上、天使達が放つ魔法の槍を素手で叩き落とし、気功弾で天使達を迎撃していく。
FALCONが軽く撃った気功弾程度でバタバタと天使達は墜落していく。
雑兵というわけだ。

「オーガス皇国も舐められたものだな……
 俺達はガストラ帝やサタンすらもぶっ潰したんだぜ……
 こんな雑魚共だけで皇帝の首を取れると思ってんじゃねぇっ!」
新兵達の訓練程度には丁度良い強さだが、一人一人が万夫不当の騎士であるオーガス騎士団の敵ではない。

空を舞うようにして戦うFALCONの両手に、凄まじい気が高まっていく。
それに気付いた天使達がFALCONを目掛けて魔法の槍や矢を放つ。
その数は数えきれない程。
だが、その飛び道具はFALCONに届くことはなかった。

「気功砲っ!!」
放電する程の気を纏わせた両手を重ねて銃口を作る。
銃口から放たれるは、万物を打ち砕く気の砲弾。
気の砲弾を遮るものは何もなく。
天使達の放つ飛び道具や天使すらも飲み込んで、空の果てまで飛んでいく。

「へっ……汚い花火にすらならなかったな……」




47 :ベビーバドル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/12/16(土) 13:37:21

青い透き通るような空が紫に染められ、

死の警鐘は高らかに鳴り響く。


「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
炎に包まれた建物に囲まれながら一人の少女が涙目で一人の男を揺さぶる。
男はボロボロで、目はすでに死んでいた。希望の光も何もない無の眼球。

しかし彼はまだ生きていた。

彼の耳には聞こえている、自分の心臓の音が確かに自分の耳で。
「〈ま…まだだ…〉」
ドックン…ドックン…
「〈まだ……生き延びなければならない。〉」
男の頭の中は静かに混乱していた。そして光の亡い眼球は燃え狂う野菜屋を映していた。
ここの野菜屋の爺さんは優しかった。よく余り物の野菜を分けて貰った。
どんな人にも優しく、良い老人だった。何も怨まれるような事なんてなかった。

なら何故彼処は燃えているのだろうか?

何故、老人は殺されたのだろうか?何故、いつも神を重んじていた教会が燃やされているのだろうか?
何故、何故、

俺は明日へ生きるという単純な事が出来ない状況にいるのか?

「……誰が…」
消え入りそうな声で男は呟いた。
「誰が……やったんだ?」
ぼろぼろと涙が流れる。俺が何をやったんだ。何故神は俺たちを見捨てたのか。
寄り添っていた幼い少女の目にも涙がスッと流れる。
「お兄ちゃ」

―グシャッ!!

そして次の瞬間幼女の胸元にも血が流れた。
幼女は物質となってあっさり倒れていく。

48 :ベビーバドル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/12/16(土) 13:38:46
最早悲観することさえ出来ないかつて兄だった男は、幼女を一目見ると即座にそこに近づく一人の女をみた。
白いおかっぱ、青い瞳、可憐に咲き誇る薔薇の鎧を被った孤高の騎士。
「……お…前…」
男はその女をみた。燃えさか火柱となった教会の前、ローズは無表情で幼女の胸に刺さった矢を抜き取った。
「…お………お前が……やったのか…」
ローズは死にそうな男を黙って塔のごとく見下していた。問いには答える必要などないだろう。
剣をすらりと抜くと男の首もとに向ける。

「貴方が最後よ…もう貴方のお友達は神に召されたわ………良かったわね。
貴方達は何も怯えることなく永遠に神に守られた天国で一緒に楽しく笑って暮らしていけるのよ?」

男はそれを聞いて、軽蔑の目を向けるとまるで見下すかのような笑みを漏らす。
この女に善を求めるのは無理だという事を悟ったのだ。何故なら女の目は人殺しの目を通り越した純粋さを持っている。
しかし……、男は再度尋ねた。

「…お前は…なんで此処に来た?」

そう尋ねられたローズは男の目をキョトンとした顔で見ると、
一瞬で微笑み、燃えさかる村に囲まれ一言答えた。


「私が生きているという事を神様にお伝えする為よ。」


その一言が合図となり、剣は首元に貫かれ、血痕は薔薇の花弁のように地面にぶちまけられた。
仕事は終わった。漆黒の闇に染まっていく空の中、ローズは灯火を消さずに紅い花弁が散らばった村を背後に馬を駆ける。

そして、今も、
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

49 :名無しになりきれ:2006/12/16(土) 13:39:10
はぁ?なにしてんの

50 :ベビーバドル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/12/16(土) 13:43:04
>>42
―――白き美しき聖地、フレゼリア城の塔の上階部。

嘗て、教会は神聖な救いを求める地として人々に重んじられていた。
そこでは神を愛することを良しとし、神を愚弄する者を罵るのが日課だった。
しかし、今はというとその教会は神を愛しすぎたあまり、人々の救いを求める原因となり、
嘗て教会や神を重んじていた人間達はそれに怒り、聖書を捨て教会や天使を殺そうと必死になって武器を取る。
まさに愚かな話だ。結局は誰もが自分の身しか考えずに殺し合いをする。

ま、神を重んじず唯我独尊を貫くフレゼリアの弓騎士、ローズが言える事ではないが…。

ローズは矢を数本持つと素早く弓に設置し放ち、農民兵の胸元を貫いていった。
城の塔の上階部は至って平和だ。たまに反撃の矢が飛んでくるが…城に侵入されない限り接近戦はまず無い。

『―弓矢隊、弓矢隊、前方より後方を集中的に頼む。前方には天使軍がいるからまず安心だ。』
「…分かってるわよとっくのとうに…何度も分かり切った事を馬鹿みたいに言わないで頂戴。」

と言うとローズは薔薇の種数個と水が入った水筒数個を投げつけた。
地面に堕ちていく種。そして種に水がかかる。
そして次の瞬間宙に浮いていた種から炎上薔薇が発芽し、
瞬く間に茨は農民達数十人をドーム状に覆い炎上した。

―ドンッッ!!

「「あぁあああああああああああああああっ!」」
絶叫する農民達、そしてローズは炎から逃げようとする人間を狙い打っていく。
「…取りあえず上層部に印象だけは付けておかないといけないからね…ごめんなさいね。」
そう呟くとローズは次々と後方に炎上薔薇を投げつけていく。

51 :リュミエール ◆ZV4/qZigOc :2006/12/17(日) 04:31:15
眼科ではなおも戦い、いや虐殺、と言った方がいいのか。
圧倒的な戦力差を見せ付けられながらも絶望的な戦いを続ける
哀れな人間達、その人間達を容赦なく地獄へと追放していく同僚達。

「......醜いわね......それに、勿体無い。」

勿体無い、と言うのはこの戦果で失われる多くの物質の事を指している。
人界の薬学では到底ありえない事だが、リュミエールを始めとした天界薬師の視点から見れば
建物に使われる漆喰やレンガの欠片なども薬や毒の原料となるのだ。
しかし、燃えてしまったものだけは使い道がない。だから『勿体無い』なのだ。

「向こうは彼らに任せておけば終わるでしょ......材料を探しましょ。」

一団を離れ単独で制圧した場所に降りて材料の収集を始める。
元々リュミエールは今回の戦争、に限らず自分を勝手に巻き込む全ての事象に
否定的、非協力的姿勢を貫いてきている。ひたすら自分のやりたい事だけをやっていたいのだ。
だが周りはそれを許さない......頭ごなしに命令された事も重なって従軍が決定した辺りから
慢性的なストレスを感じている。お陰で、気絶している時間の割合が増えてきた......
しかし材料収集と調合をしている間だけは、そうした煩わしさから解放される。

「......でも、人界の物質も殆ど網羅してしまったのよね......
 後は調合済みの、他者の作品か......気が進まないわ。」

ずれやすい特注のメガネのずれを直して収集に励む。

52 :チキク ◆pO5lc2VJCM :2006/12/17(日) 10:39:49
天使の出現により総崩れになるレジスタンス
戦力の差は圧倒的で虐殺に等しい戦闘が各所で続く
それはチキクのあらわれたレジスタンス本陣でも例外ではなかった

フレゼリア元女王ヴェスタの首根っ子をつかみ高々とかかげる
少し力を加えればねじ切ることすら可能だがそうはしない
自分の体にヴェスタを埋め込んでいく
ヴェスタの太もも辺りまで溶けてチキクの腹筋に同化
続けて肋骨が伸び出てヴェスタの脇腹や背中に刺さり同化して固定
あっという間にチキクの胸から腹にかけてはりつけにされてしまう
「ひきょうな!わらわを人質にしようと無駄じゃ
みなのもの、かまわぬ、わらわごと討ち取れ!」
苦痛と屈辱、そして快感に襲われながらも気丈に言い放つヴェスタにチキクは大爆笑する
「姫様御免!」
一人の騎士が果敢にもヴェスタごとチキクを斬ろうと襲い掛かるが、チキクが軽く手を振るだけでばらばらになってしまう
「オルトロスー!」
生態融合で固定されているので返り血に染まりながら絶叫するしかできない
「ぎゃははは!人質?
ちげーよ、アリーナ席で虐殺ショーを見せてやるためなんだよおおう」
その後は凄惨の一言
運動神経も支配されているので気絶することも発狂することも目をつぶる事も許されず虐殺ショーを見せられ続ける
「神に背を向けたからには神の慈悲を期待してはあかんよ?」
本陣を全滅させたチキクは宮廷魔術師の四肢を切り取り犯しながら笑う
幼い頃より世話役だった宮廷魔術師の凌辱される姿をヴェスタはただ見続けるしかなかった

53 :名無しになりきれ:2006/12/17(日) 10:47:15
もっとやれFALCON殺せ〜!

54 :名無しになりきれ:2006/12/17(日) 11:14:31
ここチャッチャじゃないんだけど…
チキクがエヴァの投下した敵用コテじゃなかったら、
相手がNPCでも台詞描写まではやりすぎ
これがコテ相手だったら多分叩かれるとこだよ
決定リールの扱いはスレによって違うから空気読んでね

55 :パニッシャー ◆Tu2J86FYdE :2006/12/17(日) 16:47:40
雲が割れた。
まばゆい光の塊としてパニッシャーが降臨した。
『天罰覿面!』
あらゆる者の頭に響く厳かな言葉とともに万の雷が降り注ぐ!
自然の雷より数万倍の威力をもつ雷が数万本!
この攻撃によりオーガス軍の半数が死に、生き残った者の半数は戦闘不能だ。
城も半壊している。
『汝等に尋ねよう!汝等は絶対者をなんと心得る!
よもや異世界の魔術師が干渉している程度な認識ではなかろうな?』
厳然たる声が響いた。

56 :巨大猫:2006/12/17(日) 16:52:29
帰れ!
(パニッシャーを掴んで天へ投げ返した)

57 :ベビーバドル・グリオン・ギャビ・ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/12/18(月) 23:22:28
炎上薔薇を投げては零れた人間を打つ、なんて事を続けて数分。
すでに敵の四分の一は始末出来ていた。
しかしどんな戦場においても敵はより多く倒しておいて損は無い。
ローズはせめて炎上薔薇の種が切れるまではこの戦いに参加しておこうと決心し、矢を補充した。
まあ炎上薔薇の種が二、三個になる頃には、全ての敵は殲滅されているだろうが…。

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

戦闘開始からさらに数十分。
炎上薔薇の種の残りは二、三粒。
ローズは一端弓矢を置き室内にある高級な木で出来た椅子に座り足を組むと、
戦状を正確に確認する為年季の入った黒いオペラグラスを取り出した。
目に当てじっと観察する。炎上する大地、天使達や騎士団により殺められた農民兵の死体、
しかし意外にもそんな状況下でも農民兵達は粘っていた。
圧倒的不利な状況下よく頑張るものだ、
ローズはフッと鮮やかな微笑を浮かべるとまるで日本の地獄絵の巻物を見るかのように、オペラグラスをゆっくり横に動かす。
死体、燃える大地、死体、残忍な笑みを浮かべる堕天使のような天使(>>52)、そして…
「あら…こんな地獄絵には珍しい光景ね。」
ローズのオペラグラスは静止した。

>>51
ローズのオペラグラスに映ったのは農民兵を制圧した場所にぽつんといる一人の女だった。
その女は黒縁眼鏡に白衣といういかにも科学者な女だ。
どうやら研究材料を探している様子だ。女の様子をしばらくじっと観察する。
そして少しオペラグラスを横にずらしてみる。
すると一人の武器を持った負傷した男が女の近くにふらりふらりと歩み寄っているのが見えた。
恐らく怪我をした農民兵がここまで必死に逃げてきたのだろう。いわゆる戦場で言う『負け犬』だ。

ローズは弓矢を片手で構えつつオペラグラスでその様子を静観した。

殺そうと思えば殺せる距離だ。しかし、ローズはあえて弓矢を引くのをためらう。
あの女が負傷した男にどんな反応をするのかを観たくなったのだ。
女に近づいていく男、もし出会ったら混乱し持ってる武器で女に攻撃をするかもしれないが…
女が殺されようがローズにとってはさほど問題じゃない。
ローズは静かに再度弓矢を置くと足下にある荷物袋から林檎を取り出し囓りながら女を観察する。

58 :カイザー ◆OrJKdYNK3U :2006/12/19(火) 00:02:11
「…こんなものか、思ったより天使の力というものは弱いようだな。」
地面に落下してゆく4人の天使を見据えながら呟き、残りの一人の天使の方へ向く。
「人間の言葉は分かるだろ?
 見逃してやるから、天界のお偉いさんに伝えてやってくれ。
 『前哨戦はいいから貴様が来い』ってな」
その言葉を理解し、分かった。と一言だけ返事をした天使は雲の遥か上へと帰っていった。
カイザーは剣を鞘に納めた。

>46
>「気功砲っ!!」
>気の砲弾を遮るものは何もなく。
>天使達の放つ飛び道具や天使すらも飲み込んで、空の果てまで飛んでいく。

オーガス城の上空で、巨大な気の塊が発せられた。
「あの気は…相変わらず、派手な奴だな」
苦笑気味に、気功砲の光が消えるまでその光景を眺めていた。


「とにかく、オーガス城へ行こう」
「ええ、分かりました」
ペガサスはオーガス城に向けて真っ直ぐ飛ぶ。
途中で数人の天使が道を遮ろうとしたが、天使とはいえ雑兵ではペガサスのスピードには付いていけなかった。

オーガス城の入り口でペガサスは地面に降りた。
「とりあえず今は、ここまででいい。
 また何かあったら呼ぶから、その時はよろしくな。」
「分かりました、お気をつけて!」
そういい残し、ペガサスは光で作られたゲートを潜り抜けて去った。

「さて、天界の動きを見させてもらうか」
上空を突破されたら次は地上が戦場になる。
カイザーは城の外と中を繋ぐ入り口の防御を固めるつもりのようだ。

59 : ◆SgWfYeW0n6 :2006/12/19(火) 14:15:08
>46>58
都市上空に到達した飛空戦艦「Little Jennie Anges」のブリッジから、エヴァンスが二人へ念話を送る。
『オーガスの猪武者ども、聴こえるか!?
迎えの船を用意した。屋上に着ける、雑魚には構わず上がって来い』
全長約300メートルの、巨大な黒い十字型の船体で戦闘空域へ分け入り、魔導砲の弾幕で天使の群を追い散らす。
現時点でリーゼン砲の火力は無用だが、アクティブ・ソナーは大型の魔力を高空に感知してもいた。


天使勢は争乱の最中で人界の英雄二人の姿を認めると、彼らにそれぞれ手練の戦車数台を差し向けた。
天界の戦車は二頭立て三人乗りの馬車で、これを牽く馬はカイザーの騎馬に似た、翼を持つ天馬たち。
御者が白縄の手綱を操り、戦士は車の側面に己の身長ほどもある盾を何枚もそばだてて守りを固めると
更に控えた射手が弓を取り、盾の隙間から射掛ける。
放たれた矢は天使の射手に与えられた聖光魔力で一条の光線と化し、FALCON、カイザーへ襲い掛かった。

60 :FALCON ◆uKCFwmtCP6 :2006/12/19(火) 16:24:16
>59
>『オーガスの猪武者ども、聴こえるか!?
>迎えの船を用意した。屋上に着ける、雑魚には構わず上がって来い』
天使達と遊んでいたFALCONの頭の中に、エヴァンスの声が伝わってくる。
背後から投げられた魔法の槍を掴み取ると、FALCONはエヴァンスが用意したという迎えの船を探し始めた。
周囲を見渡す限り船らしき物体は存在しない。
周りにいるのは全て天使達。

「船なんで何処にもないよな……んっ?」
空にいるというのに日光が何かに遮られている。
雲かと思ったが、ここよりも上で魔力の高まりを感じてしまった。
FALCONの脳裏に嫌な予感が沸いてくる。
その嫌な予感を確認する為、FALCONは上を見上げた。

「ぬっ、ぬわーー!!」
FALCONが上を見上げた途端、上に位置していた超巨大な飛空戦艦が下方にいる天使達に砲台向けて、魔力弾を乱射し始める。
放たれる魔力弾から必死になって逃げ回る天使達とFALCON。
大多数の天使達は砲撃から逃げ回っているのだが、一部の天使は勇敢にも飛空戦艦に立ち向かっているのだった。
だが、その天使達も地上から放たれる矢や魔力弾によって撃墜されている。

「あの飛空戦艦はエヴァンスの用意したやつか……
 それにしても無茶をしやがるぜ……」
後方から放たれた光線を、FALCONは後ろに振り向くと同時に、手にしていた天使達の槍で弾き飛ばす。
前方で構えている、二頭の天馬が引く馬車に乗った天使達を見た。
この天使達は他の天使達よりも強い。
だが、少しだけだ。

「やっぱり……今回攻めてきた奴らは様子見の為の雑兵って奴か……」
右手に直径1m程の黒い気弾を作り出し、段々と小さくさせてテニスボール程の大きさにまで圧縮する。
圧縮した黒い気弾をアンダースローで、天使達の乗る馬車に投げつける。

「さて……もう、魔力弾も射ってこないようだし、エヴァンスの待つ屋上に行ってくるとするか」
FALCONは手にしていた槍を捨てると、城の屋上に向かって飛んで行く。
それと同時に、FALCONの後方で大爆発が起き、多くの天使達が塵も残さずに消し飛んでいった。



61 :カイザー ◆OrJKdYNK3U :2006/12/19(火) 21:11:06
>59
>『オーガスの猪武者ども、聴こえるか!?
>迎えの船を用意した。屋上に着ける、雑魚には構わず上がって来い』

上を見上げると、威圧感をも感じさせる巨大な戦艦がオーガス城に迫ってきていた。
「…ペガサスを帰すべきじゃなかったな」
城内へ入ろうとした瞬間、足元を矢が翳めた。
カイザーは振り向く。
>天界の戦車は二頭立て三人乗りの馬車で、これを牽く馬はカイザーの騎馬に似た、翼を持つ天馬たち。

次々に矢が迫ってくるが、避けきれない速度ではない。
カイザーは左腕を上げて攻撃回避の体制に移り、迫り来る矢を、ステップでも踏むように避けている。
避け切れない体制ならば剣で矢を振り落とし、天使の攻撃を完璧に攻略していた。

カイザーは上げていた左腕を振り下ろした。
直後、天界の戦車を直径10m程の巨大な光の玉が飲み込んだ。

そして、数秒後には光は消え去り、
始めからその空間には何事も無かったかの様な静寂が流れていた。
「悪く思わないでくれ、急いでいるもんでな」

カイザーはオーガス城の中に入り、屋上へ向けて走り出った

62 :パニッシャー ◆Tu2J86FYdE :2006/12/20(水) 01:02:42
巨大な猫に投げ捨てられた光の渦は消えた
消えた光の代わりに投げ出された影が空中戦艦の甲板に落ちた
年の頃十歳程でサラサラの黒いロングの髪、真っ白な薄手のワンピースを着た少女
「ふぇ?ううぅ…びぇーん、神よ、何ぞ我を見捨てたもうたーひーん」
甲板に落ちたとき打った額を押さえてきょろきょろすると見る間に涙を浮かべ泣きだす
じたばたと暴れながら泣くがその力は非力で雷も静電気程度でしかない
「ぐすっぐす、この船天界にいくのよね
神の真意を知るために仕方がないから乗っていってあげるわ
私のことはパニパニってよんでよね」
泣き腫らした目でエバンスにそう宣言すると走って物陰に隠れてにらみつける

63 :名無しになりきれ:2006/12/20(水) 01:04:35
そこへ隕石が降って来てパニッシャーだけを跡形も無くつぶした

64 :神の啓示:2006/12/20(水) 01:07:44
迷惑だから諦めてFOしろよ

65 :リュミエール ◆ZV4/qZigOc :2006/12/20(水) 04:40:24
この場で取れそうな材料は粗方採集し終わった。
他の場所に行こうか迷うが、どうせどこも似たような状態だろう。
今集めた物以上の材料が出るとも思えない、帰って調合に取り掛かろう......
そう、結論付けた時だった。

>57
戦いに敗れた人間の男が一人、フラフラとこちらに近寄っているのに気付く。
目が合った。一瞬恐怖に囚われ、次の瞬間には悪鬼の形相で襲いかかってくる。

「......ふぅ......」

今正に振り下ろされようとしていた得物の内側に滑り込み、男を正面から抱擁する。
第三者の目には、男の唖然とした表情がありありと見て取れただろう。

「何をそんなに怯えているの......ここには、あなたを傷つける者などいないのに。」

耳元で呟いて、何事か言おうとした男の口に丸薬を放り込む。
そのまま無防備な腹部を叩いて丸薬を強制的に飲み込ませた。

「今は眠りなさい......そして目覚めた時に捨てた筈の命の使い道を考えることね。
 無駄にするか、それとも大事にするかを......」

強烈な眠気に襲われた男は文句一つ言えぬまま深い眠りへと落ちていった。
強烈な睡眠作用と治癒能力を向上させる天界の治療薬、人間には特に効くだろう。
もしかしたら予想外な結果が出るかも知れない、むしろその方が面白い。

数秒後、何事も無かったかのように隠していた翼を広げ、与えられた一室へと飛んでいく。
人間の薬師達が使っていた研究室、場所はローズの部屋のすぐ隣であった。

66 :ンバラ・ヒデブ・ヒヒフラハーリ・ウッホッホ・モッホホ ◆Smpy76OOy. :2006/12/20(水) 13:22:43
>42
「う〜〜〜〜!!獲物獲物!!」
今 獲物を求めて全力疾走してる彼は未開の荒野から来たごく一般的な男の子。
強いてちがうところをあげるとすれば狩りに興味があるってことかナ――――
名前はンバラ・ヒデブ・ヒヒフラハーリ・ウッホッホ・モッホホ。そんなわけでフレゼリアにある城にやってきたのだ。
ふと見ると城門の前にまだ兵士達がいた。
「ウホッ!イイ獲物…」
ハッ
そう思っていると突然兵士達は彼の見ている目の前で城門を破ろうと攻撃し始めたのだ。
「開かないか」
そう言えばこの城は異端者の反乱軍がいることで有名なところだった。
いい神に弱い彼は誘われるままホイホイと天使について行っちゃったのだ?

「アオオオオ――――――ッ!!!!」
とりあえず奇声と共に手に持った槍を振り回しながら突進し、ズタダ――ッと兵士達を弾き飛ばした。
今のンバラは身体を覆うぐらいの大きさの、仮面のような見た目の盾を体の前に着けている。
背中側もミノのような飾りで覆われているため、仮面から手足が生えたモンスターのように見えたかもしれない。
その異様な姿に敵も色々な意味でヒクのだろう。城門で粘ろうとしていた敵は蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
もっとも城を攻めている反乱軍は武器さえ揃わない農民兵ばかりで、わざわざ狩るほどの強さは無かった。
厳しい自然の中で生きる彼の集落の者達は、事が起これば女子供であっても武器を取る。
ゆえにこの頼りない相手にも油断するつもりは無かったが、同時にムダに命を奪う気もない。
彼らをかり立てるのは首塊になる存在だろう。蛇を倒すに頭を潰すのと同じように、倒すべきは指導者だ。
そして首を狩る事こそムンババ族の狩猟テクニック。
「イイコト思イツイタ。女王ヲ狩レ!」

67 :ンバラ・ヒデブ・ヒヒフラハーリ・ウッホッホ・モッホホ ◆Smpy76OOy. :2006/12/20(水) 13:23:53
>57
敵の本陣へ向かおうとしたンバラだったが、むしろ背中に守るこの城に強者がいる予感を感じる。
自然の中で研ぎ澄まされたンバラの感覚は、離れた場所からでも芳しい匂いと殺気の入り混じる空気を察知していたのだ。
ふと見ると城の塔で一人の若い女が戦っていた。
「ウホッ!イイ薔薇…」
ハッ
彼が注目したのはその女の薔薇を使う戦い方である。
ムンババ族もまた呪術に薔薇を使う部族として知られ、古くは薔薇族と呼ばれ恐れられていた歴史があったのだ。
(悪クナイ)
彼女が種を撒くたびに薔薇が咲き炎が舞い上がる。それはンバラの目にも華麗な業として映った。
そしてムラムラと思う。あの強敵と戦ってみたい。狩るか狩られるかの真剣勝負がしたい。
「冗談ジャネエ、俺ニモもらるガアル。
イクラ強者ヲ相手デモ、味方ヲ無理ヤリ狩ロウトハ思ワナイヨ。ジャナ!」
しばらく塔を見上げていたンバラだがまた背中を向け、女王を目指して敵軍の中へ突っ込んで行った。
「あおおおお――――っ!!!」

68 :名無しになりきれ:2006/12/20(水) 14:59:29
   私達は極悪非道の死神シスターズ!
   今日もネタもないのにAgeてやるからな!
    ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         / ̄ ̄ ̄\                _,i-ー/
        / / ̄ ̄ ̄               /  /
    |\/ /                    /ノし/
   /,ヘヾ>'"                   .//)/
  ヽ,ノ. \   _          _     ./ /i/
       '´,   ヽ、      '´   ,ヽ、./ /I/     Age
       i iノノ)))))     (((ハヽ|tl i^ヾ/__/    Age
       | (f!゚ ー゚ノf!      |i、ヮ゚ | i |ヽ、ヽ、      Age
      ノ,⊂)闇iつ\_    ⊂i邪(⊃/ ̄     Age
     '´((ノく/_|〉リ L>  .J!/lj_ヽ>ヽ_)    Age
         し'ノ.         し'J




69 : ◆SgWfYeW0n6 :2006/12/22(金) 22:58:28
>オーガス城
>60>61
「Little Jennie Anges」のブリッジは十字の交差部に置かれ、
円形の室内は航空・火器管制系と、何枚もの壁面モニターに囲まれている。
管制系のコンソールにはそれぞれ操舵手、オペレーターが就いて
室内中央に艦長エヴァンスが座し、その脇を黒甲冑を着込んだ四人の「ブレンゲン」が固める。
他に幾人かのクルーが忙しなくブリッジを行き来するが、彼らの軍服は皆
エヴァンスが着たきり雀の軍用コートと同じ、鮮やかなライラック色で染め上げられていた。
「『ブレンゲン』、艦を着けたら奴らを迎えに行け。
放っておいて、砲塔とかエンジンとかとんでもない所に乗り込まれたら面倒だ」

エヴァンスは飛空艦の高度を落とすと、慎重にオーガス城へ接近させた。
誤射を厭わない激しい砲撃に追われた天使軍が更に低空、地上に降り立とうとする中、
四方に建つ見張り塔を避けつつやがて船体が、城の真上に被さる。

船体下部に並んだ昇降タラップが次々と開き、各扉にガトリング銃を据え置く二人一組の兵士が就いた。
進入を試みる多数の敵を防ぎなら、オーガス騎士を船内へ招き入れるためだ。
城壁に取り付いた天使たちは、オーガス軍の兵を押し退けて艦を目指したが
すかさず始まったタラップからの機銃掃射に阻まれた。
白い硝煙が辺りに巻き上がり、それでも怯まず艦へ攻め入った天使たちは尽く撃ち倒される。

タラップとは別に設置された銃眼から、ライフル銃を突き出しての銃撃が加わり、
彼らの援護射撃に紛れて、両手にサーベルと拳銃を携えた「ブレンゲン」が屋上へ降りると
辿り着いたFALCONとカイザーを迎えに出向く。

70 : ◆SgWfYeW0n6 :2006/12/22(金) 23:02:41
>フレゼリア城
>52>57>65>66
天使の乱入に混乱し、総崩れとなった反乱軍は城下から撤退していく。
フレゼリア城を守り遂せた教会騎士団が勝ち鬨を挙げる中、
天使長アブデルは広間に配下の天使と、教会派の臣、僧侶を集めた。
奇しくも、剣を掲げる能天使の姿を描いたステンドグラスを背後に置き、
美貌の天使アブデルが副長と共に、広間に並べた戦闘天使を階段の高みから見下ろす。
アブデルは輝く様な金色の長髪を後ろ手に結わえていて、大理石削り出しの真白な肌が黒鉄の鎧に映える。
細く鋭い顔立ちに似合いの、切れ上がった目で部下をひとりひとりねめつけると、

「諸君! 人界の空気はどうだ、戦の匂いは!
あまり容易く終わってしまって詰まらんか。今日は準備体操くらいに思ってくれれば良い。
今頃は、オーガスの方面軍が城攻めの真っ最中だ。
幸運にも彼らが仕損じていてくれていれば、かの武名高きオーガス騎士団を我々が直に相手出来る。
『父』が特別討伐隊の編成を指示されて、我々遊撃隊は志願した! 明日より『騎士』討伐隊として――」

「隊長」
控えていた副長ゾフィーエルが挙手をして、アブデルの演説を遮った。
くしゃくしゃのくせ毛にそばかす、ひねた子供じみた面相のゾフィーエルは
鼠色の羽毛を生やした小振りの翼を他の天使の様に隠そうともせず、貧乏揺すりみたく絶えず羽叩く。
演説を中断されたアブデルの非難の眼差しを意にも介そうとせず、彼は言った。
「一人足りません、リュミエールがまだで」
アブデルが慌てて広間の天使たちを目で数えると、確かに一人足りない。ゾフィーエルを怒鳴りつける。
「お前が呼んで来い! あの男も、『帰依』した男もだ、呼び付けた筈だろうが」
「フェイスペインティングの闖入者?」
「傭兵崩れの奴だ」
「了解で」
返事をするや否や、ゾフィーエルは広間から消える。

次の瞬間には城中の廊下という廊下で、何かが飛び回る音がして
城中のドアというドアを誰かのノックする音が、一斉に響き始めた。
終いにアブデルの背後のステンドグラスが粉々に砕けたかと思うと、鼠色の影が屋外へ飛び出していった。
鼠色の影――ゾフィーエルは、戦場に駆けて行った「フェイスペインティングの闖入者」を探しに向かったようだ。

【オーガス城サイドの二人は、飛空戦艦に乗り込んで下さい。
フレゼリア城はリュミエール氏、ローズ氏、ザック氏、各個自由集合。
ンバラ氏は「ゾフィーエル」で対応しますが、直接集合されてしまっても構いません】

71 :FALCON ◆uKCFwmtCP6 :2006/12/22(金) 23:54:14
>69
停泊した戦艦に乗り込もうと天使達はオーガス城屋上に向かい、飛んで行く。
途中、天使達を打ち落とさんとする騎士達の攻撃により、大多数が打ち落とされた。
騎士達の攻撃を乗り越えてきた天使達は屋上になだれ込み、エヴァンス達の配下による銃撃によって呆気なく絶命していく。
飛んで火に入る夏の虫というのは、まさしくこの状況を指すのだろう。
仲間達が何人も絶命していくが、天使達に諦める様子は見られない。

「俺も打ち落とされそうだ……」
少し離れた場所から先の光景を見ていたFALCONは、付近の窓から城内に入り、そこから屋上を目指した。

「よっ。久しぶりだな、カイザー」
途中、走っていたカイザーと合流したFALCONは安全に屋上へと到達した。

「出迎えご苦労さん。エヴァンスの奴は戦艦内にいるのか?」
出迎えに来たという黒い甲冑の騎士に引き連れられ、FALCONは戦艦内に入っていく。




72 :カイザー ◆OrJKdYNK3U :2006/12/23(土) 17:53:17
階段を昇り続けるカイザー、鎧が重いがそんな事は言っていられない。
走り続けるカイザー、マントが空気抵抗をモロに受けるがそんな事は言っていられない。
と、走り続けていると後ろから足音が聞こえてきた。
>71
>「よっ。久しぶりだな、カイザー」

「お、FALCONか。久しぶりだな。
 …と、言うほど、久しぶりに感じないのは何でだろうな」
そんな事を話しているうちに、屋上へと到着した。

>69
屋上に辿り着くと、黒甲冑の兵士が出迎えに来た。
「これは、エヴァンスの艦なのか?
 だとしたら、相当な費用が掛かってるだろうな。」
戦艦を見上げ、率直な感想をもらしながら戦艦に乗り込んで行った。

「絶対者という存在…この目で確かめてやるさ」
周囲にも聞こえない様な声で呟いた。

カイザーは眼下に広がるオーガス城という戦場を見詰め、仲間の無事を祈った。
しかし、祈るという行為が自分らしくも無く、まして神と戦闘している現状でその祈りを聞く存在など居やしない。
くだらない事を考えてしまったな、と一笑した。

73 :リュミエール ◆ZV4/qZigOc :2006/12/23(土) 19:02:57
窓から部屋に戻って採集した材料をテーブルの上に広げて調合を始める。
ここ数年、人界はとても慌ただしくこそこそと戦場漁りなどをやっているだけでも
今手に入れた物とほぼ同じ物を持ち帰る事ができた。
とは言え、天界では基本的に天使用の薬しか作らなかったため人間にそのまま
飲ませるのは色々と問題がある、とアブデルは言っていた。
だから人間用の薬も調合しろ、とはっきり言われたわけではなかったがそう言う内容である。
癪に障るが、片時も離さない分厚い薬学書はその殆どがいまだ白紙であり、
リュミエールの仕事とアブデルの思惑は一致しているのだから仕方がない。


天界の薬学は人界のそれよりもはるかに発達しており、ごく短時間で
薬を製造する事が出来る。その作った薬を、先の戦いで捕らえた捕虜に投与して
効能を調べる、お決まりのパターン。非人道的な人体実験なのは間違いないが、
人間用の薬を仕上げる為には実際に人間に飲ませないと何も始まらない。
別に毒を飲ませて殺すわけじゃないんだからいいじゃない、と言うのがリュミエールの本音だ。


薬を飲ませてすぐに出てくる変化を無駄の無い文章に思考内で纏めて書き込んでいく。
そのスタイルと言いやっている事といいどこからどう見ても科学者そのものである。


>70

「......うるさいわね......」

そんな中ドアをノックする音が聞こえたが、リュミエールは無視した。
音は聞こえたが、ただのいたずらだろうと相手にしなかったのだ。
広間に集合するように、と言うお達しも聞き逃していたリュミエールが、
ノックの意味に気付いて広間に出てくるわけもなく、ゾフィーエルの行動は徒労に終わったのだった......

74 :ドグマ・ヴァンサーゴ ◆/YIo9432zc :2006/12/27(水) 00:34:36
ブレゼリア城城外。
屍が散かり血肉が飛び散る凄惨な光景。
幾つかに点在する人間たちの骸により出来た血溜り。
その中の一際大きなひとつに波紋が現れる、その波紋は徐々に広がり始め
やがてその中央から何かが姿を現し始めた。
黒いローブ、顔をすっぽりと包むこれまた黒いフード。
そして暗い中でも一際目立つ緋色に光る瞳。
明らかに他の天界の物とは思えぬほどに不気味で、他とは掛け離れた異質な存在。
黒いローブに身をまとった『それ』はゆっくりと戦場を見渡す。

「おやおや……下等生物ドモはもうお帰りかい?」
うんざりしたような、期待はずれのような声がポツリと漏れた。
くぐもってはいるが、ハッキリとしたやや高い声
「ありゃりゃ、コイツは無駄足だったかねェ。」
それは見た目とは裏腹に子供のように大げさにガックリと肩を落とした
そしてゆっくりと血溜りから足を踏み出す。ベチャリ、ベチャリとした粘着質を帯びた足音共にそれは姿を現し始めた。
ヒョロッとしているが人間で言えば大柄な部類に入るであろう身長に漆黒のローブ。
その姿一言で表すならば不気味の一言に尽きる。

75 :ドグマ・ヴァンサーゴ ◆/YIo9432zc :2006/12/27(水) 00:36:24
しかし下等生物と言えどもここまで呆気無いとは思わなかった、しばらく歩きふと思う
まぁ思えば下等生物相手に高貴な我輩の力を使うこと自体愚の骨頂だろう。
よくよく考えれば当然の結果だ、うむ我輩は何も間違ってはいない。
しかし、この濁った汚らわしい空気はどうも好きになれない。
下等生物と同じ空気を吸い、同じ地を踏みしめていると考えただけで虫唾が走る。
「キミもそう思うだろうゥ?ペッピーノゥ?」
そう誰かに問い掛けると同時に肘をぎこちなく上げるドグマ、
するとローブの隙間から白い大蛇が顔を出し腕に巻きつき首を擡げる、そして毒々しい瞳でドグマを見つめると
『ウン、ソウダネ、ドグマ君ノ言ウトオリダヨ』
ペッピーノと呼ばれた大蛇は機械的に答えた、
その声はドグマにとても良く似ている
「まったく、あの方のお言葉で無ければこんな事は引き受けはしなかったのだがねェ…」

何やら城内が慌しい様だが我輩たちの知った事ではない。
喧騒溢れる城を見つめながら、事が起こるのを待つ。
それもまた一興である。
そうだ、そもそも我輩から出向く必要性なぞ皆無なのだ
『ウン、ソウダネ、ドグマ君ノ言ウトオリダヨ』
ペッピーノが誰に聞かれるまでも無く答えた。

76 :ベビーバドル・グリオン・ギャビ・ローズ(代理):2006/12/27(水) 12:27:33
>>65
女の出した結果は『共存』だった。
薬を飲ませた男は安らかに眠りに落ちる。あの眠り方、恐らく睡眠薬か回復薬の一種だろう。
ぐっすりと眠った男を見る女、ローズはため息をつくと食べかけの林檎を投げ捨てた。
何故か気に入らない結果だった。
確かに女のやってることは普通の『人間』なら大抵そう行動するだろう。
だがだからこそつまらないのだ。
「…変な期待はしない方が得ね。」
ローズはそう言うと別の方向にオペラグラスを移動させようとした、が、次の瞬間だ。

女の背中に無かったはずの純白の羽根が広げられた。

「!…あの女…」
思わず驚嘆の呟きを漏らすとオペラグラスで女を辿る。
あの研究者らしき女の正体は今目の前に広がる地獄絵を作った天使の仲間だったのだ。
天使となった研究者は緩やかな軌道を描きローズに近づくとローズの隣の部屋の窓に入る。
その上どうやら女は自分の隣の部屋を借りているらしい。
ローズはその一部始終を見とどけると何故か無性におかしくなって笑ってしまった。
同意するものには祝福を、反発するものには残酷な無慈悲を見せつける単純で異常な天使の中にもこんな女が居るとは…。
ローズは暫くオペラグラスを置き口元を抑えながら笑う。
そして次の瞬間弓矢を素早く構えあの女が助けた男の頭蓋骨に矢を刺した。
オペラグラスで男の死亡を先ほどとは違う冷酷な楽しそうな目でローズは確認すると、
弓矢をしまい広間に戻る準備を始めた。

弓矢の鞄に設置した盗聴器の受信機から響く戦闘終了の勝ちどきの声と男の叫び声。

>「諸君! 人界の空気はどうだ、戦の匂いは・・・

退屈な『作戦』の日常の中、今日はなかなか愉快な日になりそうだ。


77 :ベビーバドル・グリオン・ギャビ・ローズ(代理):2006/12/27(水) 12:28:17
>>70
鞄から流れる男の会話。

――盗聴器を仕掛けたのは勿論ローズだ。

それもこれも全てローズの史上最悪な相方、ランベと二人で仕組んだ『絶対者』との接触の為の作戦。
ユダ作戦と単純に名付けられた作戦の内容は正しくその名通り、
『絶対者』を守る為にある究極に邪魔な存在である教会側を一刻も早く潰す為、
協会側に忍ばせたユダ、即ちローズが同盟軍の作戦に手を陰ながら貸す、というものだ。
その為ローズはこの何ヶ月か読みたくもない聖書を覚え、従う価値もない敵軍の上官に従ってきた。
その成今では弓隊を一つほど任せられるほどだ。

――鞄の盗聴器から流れる男の力強い会話。
どうやら同盟軍がもうそろそろ来るらしい。
そして男の口から遊撃隊が騎士討伐隊に志願した事を聞く。
ローズは思わず笑った。これはこれは非常に都合が良い…。
ローズは黒いマントに身を包むと、部屋を出、鍵を閉めた。そして隣の部屋の扉をふと見る。
するとそこには灰色の男が一人、扉をノックして広間に行くように促す。しかし女からの返事はない。
「……ゾフィーエルさん?そんなにお急ぎになってどうかなさったの?」
そう優しく話しかけるローズ。(教会内ではこういうキャラで生活しているのだ)
するとゾフィーエルは広間に集合して欲しいという事と
中にいる天使、リミュール、そしてフェイスペインティングの闖入者について尋ねてきた。

フェイスペインティングの闖入者…ローズは見覚えがあった。
ローズが先ほどの女とは違う意味で興味を持った男だ。(>>67)
ローズは取りあえず知らないと答えるとゾフィールは消えていった。

…あの男も広間に来る可能性がある…という事は…一刻も広間に行きたいところだが…。
ローズは少し考えるとリミュールの部屋の扉の前に立った。
女が気になったからだ。
あの女は消えてしまった?いや…
ローズは少し考えると、扉をトントントントンと続けて叩いた。


78 : ◆SgWfYeW0n6 :2006/12/27(水) 14:14:45
>71>72
艦は二人のオーガス騎士を収容すると、首都オーガス空域から離脱した。
地上の戦闘から空を隔てて遠く逃げ去り、一路フレゼリアを目指す。
やがてブリッジの壁面モニターが、全て青空の青に染まってしまうと
エヴァンスは欠伸して、艦長席に座ったまま伸びをする。
「操舵、自動航行システムに切り換え。奴らは上がったか?」
指揮を終えた彼が座席を回して振り返ると、
「ブレンゲン」に連れられたFALCON、カイザーがブリッジへ現れた。
出迎えたエヴァンスは一年前と何ら変わらない、黒髪の少年の容貌だ。
「あー、『Little Jennie Anges』へようこそ。久々。
昔自分の戦った飛空艇へ、まさか客分で乗る羽目になるとは思わなんだろ。
この艦の主砲にしたって実際、お前らの落としたのに載ってた奴の姉妹機だぜ」
義手の指で、二人に空いた席へ座るよう促す。
「下界の様子はどうだ? FALCONは魔界の……か?
このクソ天気に閉め切ったブリッジで話をせにゃならんのはつまらんだろうが
生憎と甲板は寒いぞ、高度があるからな……空気も薄いし。

ついさっき、下界の連絡員から通信があった。
ガストラとフレゼリアに天使軍が降下、
方面軍主力はオーガスで、散った連中は雀の涙くらいのもんだが何分浮き足立ってたようで
それにここと違って、練度の高い精鋭部隊をピンポイント投下だ。
大軍勢のブラフでなく、政治的攻略で足ると考えたんだろうがこれが的中、
フレゼリアは女王ヴェスタのクーデター軍が都落ち、ガストラも降伏した。

オーガスのみ未だ健在、と言いたいところだがこれも怪しいな。
空から来る相手には籠城の仕様も無し……オーガス城陥落は時間の問題だ。
どうだ、ますます責任重大で血が滾るか?」

エヴァンスは組んだ脚を解き、椅子に腰かけ直すと、二人の側へ身を乗り出した。
口端を歪めて笑み、青い眼が二人の顔を左右に行き来する。
「我々はフレゼリアに針路を執る。が、目標は城ではない。
法皇庁だ。軍勢を地上に送り出すため、天界が『門』を開きつつある。
黙示録成就のためには、今まで三国に使った小規模で、一時的なゲートでは輸送が足りない。
だから、そのための恒久的な出入り口だ。一年前の戦争にも使った聖遺物の力でな。

その、聖遺物が発する膨大な魔力を利用、もとい横取りしてだ。
輸送路の代わりに『絶対者の領域』へのゲートを開いてしまう。簡単な理屈だろ?
この艦の動力はどっかの騎士さんと同じ、聖光魔力を喰って動いてる。
聖遺物の力を艦へ引っ張ればそのまま動力に回せるから。

さて、この作戦に何か質問は?
明日には早くも決戦だ、大した時間は無いぞ。遺書でも書くか?
それにだ、絶対者って一体何だ? 俺たちは一体何と戦うつもりだ?
疑問は尽きんだろうから、俺の知る限りを教える。
何でも訊け、年齢、容姿、職業、収入、身長体重にスリーサイズも」

79 :FALCON ◆uKCFwmtCP6 :2006/12/27(水) 20:11:48
>78
黒い甲冑の騎士に連れられて戦艦内を見て回る。
戦艦内を見ていると、ガストラ帝の飛空戦艦に突入した時のことを思い出す。
飛空戦艦にはこの回を含めて二回しか乗ったことがないが、どの艦も内部が似たようなものだからだろうか。
それにしても月日が流れるのは早いものだ。
あのガストラ帝との戦いからもう四年も経つのだ。

黒い騎士の戦艦内の案内も終り、最後にたどり着いたのはエヴァンスの待つブリッジ。

>「あー、『Little Jennie Anges』へようこそ。久々。
>昔自分の戦った飛空艇へ、まさか客分で乗る羽目になるとは思わなんだろ。
>この艦の主砲にしたって実際、お前らの落としたのに載ってた奴の姉妹機だぜ」
なんと!この戦艦は四年前の戦艦と同じものだった!

FALCONはエヴァンスに促されて椅子に座ると、黙って話を聞く態勢に入った。




エヴァンスの話が終った。
一言で言えば、地上は天使達の手に落ちた。
ガストラ、フレゼリアといった大国が陥落した今、目下の敵はオーガス皇国のみ。
そのオーガス皇国ですら、エヴァンスが言うには危ういらしい。
このままではサタンの時と同じように、オーガス皇国を失うことになってしまうだろう。
だが、悲観することはない。
サタンの時と同じように、奪われたなら自分達の手で取り返せばいい。

これからの行動として、フレゼリアの法皇庁に乗り込んで聖遺物を奪い取り、それを使って絶対者の居城に殴り込みに行く。
だが、幾らか疑問に思うことがある。
FALCONは高々と手を挙げた。

「俺から遠慮なく質問させてもらうぞ。
 前にサタンが規模は全然違うかも知れないが、同じようにゲートを繋いで乗り込むってことを考えたよな。
 その時は大規模な魔法陣を使って魔力を蓄えなきゃならなかった。
 仮に聖遺物が膨大な魔力を持ってたとしても、一年前に大規模な結界を張った今、そんな魔力が残ってるのか?
 それに確保しなきゃいけない聖遺物は何個あって、それはどんな形をしてる?
 それが分かんなきゃ奪えねえ。
 それで、最後に一番重要な質問。
 今回の戦いは俺を満足させてくれる程、楽しくなりそうか?」



80 :リュミエール ◆ZV4/qZigOc :2006/12/28(木) 13:08:47
>76-77
粗方調合した薬の効用を書き終えたあたりで、ふと先ほど
薬を飲ませた人間の事を思い出した。趣味=仕事の事には抜け目がない。
窓から覗くと......顔面に矢が刺さっていた。誰の仕業かは分からないが、
あれではさすがに助かるまい。

「......一度捨てた物を拾う事、神はお許しにはならなかった......」

そう呟くと興味を失ったように踵を返し、調合した薬をビンに詰めて棚に並べていく。
この棚は天界から持ち込んだ物で、天界の自分のラボと繋がっている。
必要な物を取り寄せたり、新作を送ったりする為に使うのだ。
ビンサイズの物なら、それほど大掛かりな魔法処置を施す必要もないので重宝している。
もっとも、ここでは手持ちの材料だけでも治せるほどの軽症者しかおらず、
天界からわざわざ効能の強い薬を取り寄せることもいまだないのだが......

一通り作業を済ませた所で湯浴みでもしようと
白衣を椅子の背凭れに掛けた所でまたドアがノックされた。

「......御用があるならどうぞ。鍵はかけておりません。」

外にいるであろう誰かに聞こえるように言ってから服を脱いでいく。
さっきのいたずらとの違い、それは他の部屋のドアをノックしていない事と
ノックの仕方が違う事、この二つ。こんな場末のラボに何の用があるかは分からないが
来る者は拒まず......もしかしたら伝令かも知れない。最もその場合はノックと同時に
所属と聖名、そして用件を言うから違うだろうが......

81 :カイザー ◆OrJKdYNK3U :2006/12/28(木) 17:44:19
>78
艦は再び浮上した。
離れ行くオーガス城を尻目に、一行が向かう先は…聞かされてないのでカイザーは知らない。

黒甲冑の兵士に連れられるまま足を進め、ブリッジに上がった。
>「あー、『Little Jennie Anges』へようこそ。久々。
そこにエヴァンスは居た。相も変わらず年齢不詳な容姿である。

エヴァンスは話を始めた。
下界の様子、ガストラとフレゼリアが天使軍団に襲撃され壊滅同然、オーガス城すらも現状では危ういと言う。
向かう先はフレゼリアの法皇庁、
そこで聖遺物の力を奪い、天使達が使う門を使用し、絶対者の領域へと踏み込むという作戦だ。
ちなみに、この艦はどっかの騎士さんと同じ、聖光魔力を喰って動いてるらしい。

そして、エヴァンスの話は終わり、代わって質疑応答に移行した。
真っ先にFALCONが挙手をする。
ゲートについて、確保すべき物について、そして戦いが楽しくなるか。
(…最後のは、いかにもFALCONらしい質問だな)
思わず感心してしまったカイザーであった。

「俺も一つだけ質問させてもらう。」
人差し指を立て、軽く上げる。


「この戦艦に仮眠室はあるのか?」
どうやら眠いらしい。

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